薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
歌手や声優として活躍する来栖りんさんの3枚目のシングル「わっちゅあね?」が、11月27日に発売された。2023年5月にテレビアニメ「神無き世界のカミサマ活動」のオープニングテーマ「I wish」でソロアーティストとしてLantisからメジャーデビューし、同作でシアン役として声優デビューを果たした。来栖さんに新曲、歌手や声優としての活動について聞いた。
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来栖さんは、2016年にアイドルグループのメンバーとしてデビュー。2018年にマンガ誌「週刊ヤングジャンプ」(集英社)主催のオーディション「制コレ18」でグランプリを受賞した。2024年5月に発売された2枚目のシングル「Believer」は、テレビアニメ「転生したらスライムだった件」の第3期のエンディングテーマとなったことも話題になった。
「わっちゅあね?」は、テレビアニメ「歴史に残る悪女になるぞ」のエンディングテーマで、恋に気づく直前のふわふわした気持ちを歌ったような、ほんのり甘酸っぱく、可愛らしい楽曲に仕上がっている。
「甘めで、少しふわふわした曲なので、少しウイスパーっぽい歌い方をしようとしました。これまでは、声を前に出してパキパキ歌うことが多かったですし、これまでにない楽曲になっていると思います。等身大というよりは、楽曲のイメージに寄せていこうとしました。恋する気持ちに気づく前のふわふわした気持ちをイメージして、あえてハキハキせずに歌うことを意識していました」
可愛さを詰め込んだような楽曲で、甘い歌声が印象的だ。
「ラップもあって、中毒性の強い曲になっています。ちっちゃい来栖りんがチャチャを入れているようなガヤもたくさん入っています。フワフワした自分に対して、もう一人の自分がワイワイ言っているようなガヤになっています」
カップリングは「ドタバタ☆クリスマス」「Wanted!」の2曲。「ドタバタ☆クリスマス」は初のクリスマスソングに挑戦した。
「好きな人とクリスマスパーティーをする約束をして、苦手な料理などを準備するというドタバタした感じ、ワクワクした気持ちを歌った楽曲です。楽しくキャピキャピ歌っていますが、私の中でクリスマスは、神聖でキラキラしたキレイなイメージもあるので、楽しさを表現しつつ、緩急をつけて、キラキラ感をイメージして歌ったところもあります」
ちなみに、クリスマスにはどんな思い出があるのだろうか?
「15歳の時に活動を始め、クリスマスはイベントでファンの方と過ごすことが多かったですし、レッスンをしていて終わっちゃうこともありました。ゆっくりパーティーをすることはなかなかできないのですが、12月半ばくらいに友達と集まって、お菓子を食べることがあって、昨年はケーキアイスを食べました。子供の頃は、お母さんやお父さんがクリスマスを盛り上げてくれていました。玄関に、サンタさんとトナカイに食べてもらうためのクッキーとにんじんを置いて、朝になって見ると、にんじんに歯形が残っていたりして(笑)。私が喜ぶことをしてくれる家族だったので、クリスマス以外にも誕生日やお正月などのイベントの楽しい思い出が残っています。私がイベント好きなのは、そういう思い出がたくさんあるからだと思います」
2023年5月のソロアーティストデビューから約1年半が過ぎた。活動していく中で、自分の中で変化があったという。
「デビューしたての頃は、結構身構えてしまうことが多かったんです。一歩一歩踏み出すにしても、失敗しないかな?と考えてしまっていたんです。私は楽しいことが好きなので、自分の本質とのギャップがありました。良くも悪くも後先を考えないで動くことが好きですしね。ただ、声優業界、アニソン業界は私の憧れの場所だったので、緊張しちゃっていたんです。好きな場所、神聖な場所に踏み入れるような感覚があって、失敗しちゃったら……と好きだから故に足がすくんじゃうことが多くて。でも、1年経って、いろいろな方々と出会い、いろいろな経験をさせていただくうちに、まず楽しむことが大事だと改めて気付きました。私が楽しんでいれば、きっとみんなも喜んでくれる。楽しい気持ちは伝わるものなので、楽しまなきゃダメなんです。そう思うようになってから、緊張のレベルを一つ下げるようにしようとしています。一人が怖かったところもあったと思います。自分が失敗したら全てが止まるという恐怖感もありました」
恐怖感を払拭するために、自分自身の考え方を変えようとしたようだ。失敗を恐れず、前を向いて突き進もうとしている。
「友達やスタッフさんと本音でお話できるようになりました。そうすることで、気持ちが楽になるんです。完璧でいなきゃいけない!と自分で抱え込むのではなくて、自分の考え方を変えないと、人の言葉も受け入れられないし、もっと気楽になって、楽しもうと気付いた瞬間がありました。私がガチガチになってしまうと、楽しめないし、動けなくなってしまいます。間違えることは、いいことではないですけど、間違えたことをリカバリーして、また新たに盛り上げようとしています。完璧にこだわると何もできなくなりますし」
声優としての活動について「お芝居は深いな……と思っています」と語る。
「例えば、泣くお芝居で、悲しい、苦しいという気持ちに振り切ってしまうと、アニメの絵と合わないこともあります。私は感情を乗せすぎてしまうので、やりすぎになってしまうことがあるんです。滑舌や語尾、声の震えで感情を表現しないといけないと気付くこともありました。難しいんです。ただ、新しいことに挑戦できることがすごく楽しいです。私は普段、ゲームをするのですが、難易度高めのゲームが好きで、難しければ難しいほど楽しいんです。今はできないことも、これからできるようにしていきたいです。止まってしまってはダメで、勉強し続けないといけません。焦ったり、不安になることもありますが、今できることと、学べることに全力で取り組み、次に進んでいこうと思います」
来栖さんは今後の目標を「自分が歌える環境は当たり前のことではないですし、この環境を大事にしながら、表現の幅を広げていきたいです。声優としても、先輩の皆さんからいろいろなものを吸収して、お芝居の幅を広げていきたいです」と語る。歌手、声優としてさらなる成長を目指し、日々進化している来栖さんにぜひ注目してほしい。
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