ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
#33「7月15日(木) その3」
12月25日(木)放送分
日向夏さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「薬屋のひとりごと」。薬や毒にしか興味がなく、達観したようにも見える主人公・猫猫が人気を集めている。猫猫はどのように生まれたのか? 原作者の日向夏さんに聞いた。
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「薬屋のひとりごと」は、とある大陸の華やかな後宮で、毒見役の少女・猫猫が、美形の後宮管理者・壬氏と共に陰謀やウワサのひしめく後宮で起きる事件に巻き込まれていくことになる。ライトノベルがヒーロー文庫(イマジカインフォス)から刊行されており、コミカライズも人気で、シリーズ累計発行部数は4000万部以上。テレビアニメ第1期が日本テレビ系で2023年10月~2024年3月に放送された。第2期が、日本テレビのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送中。
猫猫は、元気いっぱい、テンションが高い主人公というわけではない。しかし、実は奥底に熱い思いを秘め、飄々と難事件を解決していく。達観しているようにも見えるが、大好きな薬や毒のことになるとテンションが急に高くなるオタク気質なところもある。他人に興味がないわけではなく、困っている人や悩んでいる人に手を差し伸べる優しさもある。
日向夏さんによると、「薬屋のひとりごと」はそもそも「鉱山の街にいる3人の子持ちの女性」を主人公としたミステリーとして構想していたが、「小説家になろう」は若い読者が多いこともあり、10代を主人公にしたという。さらに華やかな後宮を舞台とすることで、物語を膨らませていった。
「最初は、3人の子供がいる女性の話にしようとしていましたし、猫猫にもおばさんのような図太さが残っていると思います。モデルがいるとすれば、ハブで血清を作っているおじさんです。ハブの毒を摂取して血清を作る方なのですが、それを参考にしました。こういうキャラにしようっていうのは、特になくて、書いているうちにああなっていったところもあるのですが」
猫猫は、毒と薬に異常なまでの執着を持つが、それ以外の自分の感情を表に出すことはあまりない。
「読んでいる方のストレスにならないように、主人公はできるだけ自分の感情よりも事件解決脳に重きを置いた方が読みやすいかな?と思っています。悩む描写をほとんど入れずに書いています」
猫猫は毒舌なところも魅力だ。冷静に物事を判断しながら事件を解決していく。
「猫猫が“ひとりごと”のように文句を言っています。皆さんは、それを毒舌と言いますが、皆さんも口に出さないだけで、そう思っていませんか? 横一列に並んで通路を塞いでいる人を見ると、邪魔だから避けてくれよ!と言いたいけど、結局何も言わないことってありますよね。小気味よくするために、強めに言わせているところもあります」
「もし女性だったら傾国」とも称される美形の壬氏も人気キャラクターだ。壬氏に興味を示さない猫猫との関係も「薬屋のひとりごと」の魅力になっている。
「壬氏は、出世したキャラクターですね。最初は、殺す予定だったんです。小説家になろうに投稿していて、本になることも決まっていない時、人気が出てきて、殺せなくなっちゃいまして。壬氏の事件が解決したら、退場させるつもりでしたが、生き残りました。後宮は女性ばかりですし、きれいどころの男性も入れておこうかな……と生まれたキャラクターだったので」
「薬屋のひとりごと」のシリーズ累計発行部数は、テレビアニメ第1期放送開始前の2023年9月末時点は約2400万部だった。元々、人気作品ではあったが、2025年2月には4000万部を突破するなど、テレビアニメの人気を受けて、大きく部数を伸ばした。
日向夏さんは、アニメ化に際して、特にオーダーはなかったという。
「第1期の時は特に何も言ってません。第2期はシナリオ会議に関わらせていただいていますが、ほぼ見学状態です。あまり口を出さない方が、スタッフの方はやりやすいでしょうし。映像がとにかくキレイですよね。背景もこだわったり、キャラクターもしっかり描いていただいて、すごくうれしいです。第1期の第3話で、名前も付けていない武官のイメージソングが流れてびっくりしました。名も無い武官にいい曲を作ってもらった!と感動しました」
猫猫役の悠木碧さん、壬氏役の大塚剛央さんら豪華声優陣の演技も話題になっている。最後に声優陣への思いを聞いた。
「すごいですよね。素晴らしい方ばかりです。ただ、一言あります。この先、出てこないキャラクターに、こんな大御所の方を使うのはもったいない!と思うことがあります(笑)。収録はリモートで見学させていただいていて、現場にも2、3回お邪魔しました。私ごときが声優さんに話しかけていいのか?と思っているので、できるだけしゃべらないように黙っています。スタッフの方に何か聞かれた時だけ、お話しています」
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