古田新太＆柄本明：元阪神・掛布雅之役、川藤幸三役で出演　故・横田慎太郎さんの生涯を描く映画「栄光のバックホーム」　キャストを一挙発表

　俳優の古田新太さんと柄本明さんが、2023年に脳腫瘍のため28歳で亡くなった元阪神タイガース選手、横田慎太郎さんの人生の軌跡を描く映画「栄光のバックホーム」（秋山純監督、11月28日公開）で、阪神タイガースの名選手として活躍した掛布雅之さんと、川藤幸三さんの役でそれぞれ出演することが、横田さんの三回忌にあたる7月18日、明らかになった。元高校球児で新人俳優の松谷鷹也さんが横田さんを演じ、母親役の鈴木京香さんと共にダブル主演を務める。

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　同映画は、横田さんが生前に執筆した「奇跡のバックホーム」と、中井由梨子さんによるノンフィクション「栄光のバックホーム 横田慎太郎、永遠の背番号 24」（共に幻冬舎文庫）が原作。幻冬舎の見城徹社長が製作総指揮を務め、幻冬舎フィルムの第1回作品となる。

　横田さんは鹿児島実業高校在学中の2013年にドラフト2位で阪神に指名され、翌年入団。若きホープとして将来を期待されていた。2017年春季キャンプ中に脳腫瘍が判明し、入院・治療を経て実戦復帰に向けてリハビリに励んだが、2019年に引退。阪神鳴尾浜球場（兵庫県西宮市）での引退試合（ウエスタンリーグ公式戦、対福岡ソフトバンクホークス）で見せた、センターから捕手への矢を射るような返球は“奇跡のバックホーム”として今も語り継がれている。2023年7月18日に死去した。

　横田さんと松谷さんは、共に父がプロ野球選手だったこともあり、数年前から親交を深め、横田さんはグラブを、松谷さんは俳優として最初に着た衣装をお互いにプレゼントした。横田さんがホスピスに入ってから松谷さんは大阪に泊まり込み、横田さんに寄り添った。

　古田さん演じる掛布さんは、横田さんが入団した当時、阪神の育成コーチとして横田さんを指導し、いずれ阪神の主力選手になると評価していた。柄本さん演じる川藤さんは、自身のYouTubeチャンネル「川藤部屋」に引退後の横田さんをプロデューサーとして招き、共に動画に出演するなど交流を深めた。横田さんの葬儀・告別式では弔辞を読んだ。

　このほかのキャストでは、横田さんの引退試合で指揮を執った二軍監督、平田勝男さん（現・二軍監督）の役を大森南朋さん、一軍監督として横田さんを一軍に抜てきした金本知憲さん（現・野球解説者）の役を加藤雅也さん、阪神の先輩だった北條史也さん（現・社会人野球選手）の役を前田拳太郎さんが演じる。また、萩原聖人さんが横田さんの担当スカウトだった田中秀太さんを演じ、上地雄輔さんが横田さんのトレーナーだった土屋明洋さんに扮（ふん）する。

　鈴木京香さんが横田さんの母、まなみ役、高橋克典さんが横田さんの父の真之役、山崎紘菜さんが横田さんの姉の真子役、伊原六花さんが横田さんの“思い人”小笠原千沙役、小澤征悦さんが大阪の病院主治医、鍵山博久役、佐藤浩市さんがホスピスの担当医、門倉勉役をそれぞれ演じる。

　主題歌は、横田さんの登場曲であり、闘病中の心の支えとなった、ゆずの「栄光の架橋」。2023年9月14日、阪神が18年ぶりのリーグ優勝を決めた甲子園球場での試合（対読売ジャイアンツ）で、4万人の観客が天国の横田さんに向けて大合唱した。

　公開されたティザーポスターのビジュアルは、阪神タイガースの背番号「24」を背負う、松谷さん演じる横田さんの威風堂々としたバックショットと、優しくほほ笑む表情をした母、まなみさんを演じる鈴木さんと共に病に立ち向かう母子の姿を捉えている。「横田慎太郎を、決して忘れない」というキャッチコピーも添えられている。

　また、特報映像では、プロ入りし若きホープとして活躍を始めたものの、脳腫瘍を宣告される横田さんの長い闘いの始まりと、家族が力を合わせて横田さんを支える様子が描かれている。そして、松谷さん演じる横田さんが“奇跡のバックホーム”を見せる映像で締めくくられている。

　◇ストーリー

　2013 年のドラフト会議で阪神タイガースに2位指名されたのは18歳の横田慎太郎。甲子園出場を逃すもその野球センスがスカウトの目に留まり、大抜てきされた期待の新人だ。持ち前の負けん気と、誰からも愛される人間性で厳しいプロの世界でも立派に成長を遂げていく。2016 年の開幕戦では一軍のスタメン選手に選ばれ、見事に初ヒット。順風満帆な野球人生が待っていると思われたその矢先、慎太郎の体に異変が起こる。

　ボールが二重に見えるのだ。医師による診断結果は、21 歳の若者には残酷すぎる結果だった。脳腫瘍……。その日から、慎太郎の過酷な病との闘いの日々が始まる。ただ、孤独ではなかった。母のまなみさんら家族、恩師やチームメイトら、慎太郎を愛してやまない人たちの懸命な支えが彼の心を奮い立たせるのだった。そして、2019 年9月26日、引退試合で慎太郎が魅せた“奇跡のバックホーム”は人々を驚かせ、感動を呼んだ。だが、本当の奇跡のドラマは、その後にも続いていた……。