井浦新:“やり過ぎ”の一歩手前まで作り込み 「DOPE」ジウ役は「本当に楽しかった」 撮影の裏側とは?

ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」に出演する井浦新さん(C)TBS
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ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」に出演する井浦新さん(C)TBS

 人気グループ「King & Prince」の高橋海人さんと俳優の中村倫也さんがダブル主演する連続ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(TBS系、金曜午後10時)で“謎の男”ジウを演じるのは井浦新さん。登場シーンごとに髪色や立ち姿まで変えて全知全能なジウを形作ってきた。クライマックスを前に、撮影の裏側と役への思いを聞いた。

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 ◇「毎シーンで挑戦の連続」

 --ここまでジウを演じてきての感想を教えてください。

 率直に言って、本当に楽しかったです。最初に長谷川晴彦プロデューサーから「DOPE」のお話をいただいた時、「ジウは全知全能で何でもありのキャラクター」だと聞きました。そこで、役作りというよりも、扮装(ふんそう)やビジュアルのイメージ作りにこだわっていこうと。キャラクターデザインの高橋毅さんにも入っていただき、やり過ぎの一歩手前まで作り込みました。

 髪形もシーンごとに黒い部分の位置を変えるなど、細部まで工夫しています。扮装が自由だからこそ芝居も自由にできると感じ、登場の仕方もただ歩くのではなく、ふわっと浮いて現れるなど、撮影現場で試行錯誤しました。撮影部や照明部の皆さんが「どうやったら、それを映像化できるか」を一緒に考えてくださって、新しい発想や演出をみんなで積み重ねられたのは、とても楽しかったです。

 決まりがない分ハードルも高く、毎シーンで挑戦の連続でした。やり過ぎてしまうこともあれば、面白くなることもある。その瞬間に感じたことを諦めずにチャレンジし続けられる撮影現場でしたし、そういった役柄でもあったので、「楽しかった」という言葉が素直に出てきます。

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 --第1話でジウが国会議事堂前で異能力を解放するシーンは井浦さんの提案だとか。

 いただいた台本ではジウは“静”の存在で、「異能力を見せなさ過ぎでは?」と感じました。そこで、早い段階から見せていく提案をしました。しかも直前に泉ルカ(久間田琳加さん)のセリフ「どうせ壊すなら、さっさとこんな国、壊したほうがいい」を受けての行動なので、つじつまは合う。それに異能力を無制限に見せていくことで、謎が深まると思いましたし、そのほうが面白いじゃないですか。

 アドリブというより、「まずやってみる」という感覚で、ジウという人物を「DOPE」の世界で呼吸させるために、常にトライし続けています。きっと必要ない行動であれば監督から指摘がありますし、面白ければ映像化の方法を探る。せっかくいただいたご縁と機会なので、最大限に楽しみながら、想像力を働かせています。

 --ジウの衣装を担当された高橋毅さんから、ジウのキャラクター像にあったコートやジレ、アクセサリーなどを提案されたとき、どう感じましたか。

 高橋毅さんが担当してくださって本当に良かったと思いました。語られていないジウの背景を感じられますし、アクセサリー一つにも意味を込めて、長谷川プロデューサーや私に提案してくださいました。

 ジウは髪や爪の色やその色付いている位置、第9話で見せる涙など、細部にまで意味が宿っています。ここまでジウは何者なのか謎ですが、きっと第9話を見ても、さらに皆さんを混乱させるような人物だと思うんです。そんなジウを表現するには、お芝居にプラスして高橋毅さんの衣装、ヘアメイクさん、持ち道具さん、各部署の技術の集結が必要不可欠。その中でも衣装はジウのキャラクター像の軸を担ってくれています。革のコートは重く暑い日中の撮影では大変でしたが、ジウとして涼しい顔を保つのがひそかな戦いでした
(笑)。

 --神出鬼没なジウは、さまざまな扮装を披露しています。印象に残っている扮装はありますか。

 どれも楽しかったですが、屋台ラーメン店の親父は特に印象的でした。麺の湯切りも自分でやらせていただき、実際の屋台ラーメン店の方からやり方を教わりました。優しく手首を回すなど、さまざまなスタイルがあると知り、扮装に加えて職業の所作まで学べたことが面白かったです。

 ◇高橋海人は「繊細なお芝居ができる方」 中村倫也の印象は?

 --本作が初共演となった高橋さんと中村さんの印象を教えてください。

 海人くんはとても繊細なお芝居ができる方だと感じました。才木優人という役が持つ繊細さは、海人くんだからこそ表現できたのだと思います。一緒にお芝居をしていても心地良いですし、プライベートの話でも興味を持っているものが同じだったりして、楽しい時間を共有できています。

 倫也くんとは、同じシーンはなかったものの映画「ラストマイル」(2024年)という作品でご一緒していて。その時に倫也くんの、作品に色を添える力が素晴らしいと感じました。求められているものを自分の色で彩ることは簡単ではありません。そういうお芝居をできる方と一緒に芝居をしたら、ワクワクもハラハラもさせられるだろうなと楽しみにしていたんです。実際に陣内としてジウの芝居をきちんと受けてくれてますし、いらないところは陣内としてしっかり流してくれるので、とても演じやすかったです。

 --久間田(琳加)さんがインタビューで、「井浦さんの存在にすごく助けられています」と言われていました。どのようなやりとりをされていますか。

 「(久間田さん演じる)泉ルカってどんな人だろうね」と話していました。ヴィランはヴィランで人生や考え方があるという前提で、泉はどんな背景があってジウと行動を共にしているのか、ヒーローとヴィランの魅力などを語り合いました。

 --終盤の見どころを教えてください。

 陣内とジウの関係性が第9話で明らかになり、第10話で集約されます。ジウが意識してきた才木との関係も絡み合い、3人の関係性が最終話で交錯します。第1話からの積み重ねがつながる瞬間を、ぜひ楽しんでください。

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