あんぱん:嵩が漫画家生命をかけ、作品作りに挑んだ第113回 注目度の最高値は午前8時9分の73.0%

連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」のロゴ (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第113回(9月3日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのか? 嵩(北村匠海さん)が漫画家生命をかけ、作品作りに挑んだ第113回で、テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた程度を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最も注目度が高まったのは午前8時9分の73.0%だった。

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 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家で絵本作家のやなせさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」だ。

 ◇午前8時9分の73.0% 嵩が「これでダメだったら、漫画家を辞める」宣言

 第113回は、週刊誌のマンガコンクールのページを目にした嵩は、のぶ(今田さん)の勧めで、その懸賞に挑戦する。結果よりも描きたいマンガを描くことに意味があると言うのぶに、自分にもプライドがあると言って、嵩は何日も仕事部屋にこもる。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を示す「注目度」は、前日の第112回に続き、中盤に高い注目度を示す「中盤型」のグラフとなった。異なるのは、第112回の中盤がずっと安定して高かったのに対し、第113回ではピークを迎えたのが午前8時9分(73.0%)の1度という点。視聴者が画面に引き付けられる場面がやや少ない回だったのかもしれないが、ピーク時の注目度は前日の70.6%より高かった。

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 最高値73.0%を記録した午前8時9分はどんな場面だったのか? 

 「豪ちゃん(細田佳央太さん)をあんたが本気で愛したき、今の蘭子がおる。自分の気持ちに正直に生きなさい」。羽多子(江口のりこさん)が蘭子(河合優実さん)にそう語りかけ、亡き父・結太郎(加瀬亮さん)の形見の帽子をそっとかぶせる。少し微笑んだ蘭子は「あったかいちや。お父ちゃんに頭なでられよるみたいや」と答える。隣にいるのぶも微笑みながら見守る。前日、蘭子と八木(妻夫木聡さん)の関係に進展があっただけに、蘭子の背中をそっと押す母親、羽多子の言葉は視聴者の心にも響いたはずだ。

 ただこのシーンは午前8時8分台後半。期待度は70.3%と高まっているが、9分のピークの寸前だ。

 実は午前8時9分は、仕事場にこもって作品づくりに没頭するが、なかなかアイデアが形にならない嵩が食卓でのぶに宣言するシーン。「もしこれでダメだったら、僕は漫画家を辞める。頑張るよ」。そう言うと、食卓を立って、仕事場に戻っていく。羽多子は「どうするがで」と慌てるが、のぶは「大丈夫、うちは嵩さんの才能を信じちゅうき」と自分に言い聞かせるように語る。

 いよいよ追い込まれるところまで追い込まれた嵩とのぶ。そんな中、のぶが亡き父・結太郎の帽子をかぶったまま掃除機をかける姿を見た嵩の中で、あるアイデアが浮かぶ。午前8時10分以降は、どん底から一気に作品を完成させるまで進んでいく。明るさが増していく展開なのだが、期待度はピークの午前8時9分の後は急落。午前8時13分には62.4%まで落ち込む。

 嵩の仕事場に、「あなたに仕事をお願いしたくて」と、天才マンガ家・手嶌治虫(眞栄田郷敦さん)から電話があるが、いたずら電話と思ったのか、嵩は「君、こういうことはもう止めたまえ」とみすみす切ってしまう。楽しいシーンだが、この辺りは13分直前。注目度はぐんと下がってきたあたりだ。応募作品が完成する午前8時14分には少し戻すが、大きな挽回にはならず、ドラマは終了した。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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