ちいかわ
第299話 拾魔(9)
12月5日(金)放送分
「BEASTARS」で知られる板垣巴留さんのマンガが原作のテレビアニメ「SANDA」が、MBS・TBSほかの深夜アニメ枠「アニメイズム」で放送されている。超少子化時代を迎え、子どもが過剰に保護された近未来の日本が舞台の異色の“サンタクロース”ヒーローアクションで、サイエンスSARUによる斬新な表現、躍動感ある映像が注目を集めている。個性的なキャラクターたちが放つ“言葉”も大きな魅力だ。シリーズ構成・脚本を手掛けるうえのきみこさんに「SANDA」の魅力、制作の裏側を聞いた。
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「SANDA」は、2021年7月~2024年7月に「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載されたマンガ。超少子化時代を迎えた近未来の日本で、国の宝である子どもたちは、大人たちによって全寮制の学園で管理・保護されており、子どもに夢や希望を与えるサンタクロースは危険人物として排除の対象とされていた。中学生の三田一重は、雪の降る12月25日にクラスメートの冬村四織から命を狙われたことをきっかけに、自分がサンタクロースの末裔(まつえい)であることを知り、子どもたちを守るためにサンタクロースとなって大人たちと戦うことを決意する。
うえのさんは原作を読み、「独特ですが、今後あり得るかもしれないとも思える世界観ですごく面白い。ぜひ参加したい」と作品の世界に魅了された。個性的なキャラクターの中でも、特に冬村に惹(ひ)かれたという。
「見た目もいいですし、昨今のアニメにはいない女の子だなと思い、今までにないヒロイン像が描けるんじゃないかなと思いました。キャピキャピしていなくて、客観的に自分のことを考えている。それでいて、友達を疑わず、真っすぐで、すごくピュアな感じがすごく好きです」
冬村のほかにも、「『SANDA』の世界は女性陣がすごく魅力的で、ほかの物語だったら、みんながそれぞれ主人公になれるんじゃないかなというくらい。それぞれが何にも媚(こ)びていない。女性陣でアベンジャーズを組んで、幸せに暮らしてほしいと思ってます(笑)」と語る。
そうした濃いキャラクターたちの言葉の魅力をうえのさんは「みんなが本音」と感じているという。
「真っすぐな言葉で向き合っているというか、駆け引きが何もない感じがいいんです。それぞれ思惑はありますが、人に対してすごく誠実に向き合っているなと思います」
キャラクターの強さ、言葉の真っすぐさがあるからこそ、うえのさんが脚本を手がける上で重視したのは「登場人物たちの気持ちにブレがないようにすること」だった。
「キャラクターたちが気持ちに嘘をついてしまうと、見ている人も一気に冷めちゃうかなと思うので、そこは嘘がないようにしようと。ほかの原作がある作品を担当する上でも、登場人物のキャラクター性、気持ち、感情を大切に描くことを心掛けています。作品によっては、ストーリーの前後で言葉が違うニュアンスになる場合があるので、そこは統一するようにしています」
シリーズ構成では、「アニメの最終回をどこで迎えるかを決めてから構成を練っていったのですが、次の話数へ行く切りどころは、次を楽しみにしてもらえるように考えました。アニメになって動き出すと、アクションシーンなどが入るので、『ここは尺が伸びそうだな』と考えながらやっていきました」と振り返る。
アニメの放送が始まってからは、うえのさん自身が毎週放送を楽しみにしているという。
「第1話を見た時に、『これは1週間の楽しみが一つできたな』と思って。ストーリーは知っているはずなんですけど、『来週もある』というのがすごく楽しいんです。こういう気持ちは久しぶりだなと。毎週新鮮に見ています」
アニメは終盤に突入し、学園の“未成人式”が描かれる。三田たちの学園では、人生の中で最も美しく若々しい瞬間として15歳を祝福する。うえのさんは「それぞれのキャラクターが抱えているものに決着が付く」と見どころを語る。
「それぞれの青春がそこにあるというか。たとえ暗くても、孤独でも、それはまぎれもない青春だと思うので、大人になる途中の子どもの青春を見てほしいです」
うえのさんは、「SANDA」を通して、「大人になるってどういうことなんだろう」と改めて考えたという。
「『SANDA』では、学園長(大渋一二三)も、子どもを守ってはいますけど、自分の容姿を気にして、欲望のままに生きている気がするので、あの世界に“大人”はいるのかな?とも感じます。理事長の鉄留(十予)さんは大人だと思いますが、大渋に対して子どもっぽいところもあるので。そう考えると、『SANDA』のキャラクターはみんな大黒愛護学園で青春をしているのかもしれません」
“未成人式”で何が起こるのか、三田たちと大渋学園長の戦いはどう決着するのか。「SANDA」が描く青春を見届けたい。
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