名探偵コナン
#1188「追跡!探偵タクシー3」
1月10日(土)放送分
アニプレックスとソニーミュージックによる「HERO×MUSIC」をテーマとしたオリジナルテレビアニメ「SI-VIS: The Sound of Heroes(シーヴィス ザ サウンド オブ ヒーローズ)」がフジテレビほかで毎週日曜朝9時半に放送されている。大人気音楽ユニット「SI-VIS」が実は世界を救うヒーローだったという二重構造、音楽パフォーマンスで謎の災害“ミラージュ”に立ち向かう……という斬新な設定。子供向け番組の激戦区の日曜朝の中では、異色のヒーローアニメだ。「アイドル事変」「青の祓魔師 終夜篇」などで知られる吉田大輔さんが監督を務め、人気ライトノベル「冴えない彼女の育てかた」の原作者として知られる丸戸史明さんがシリーズ構成・脚本を担当するなど豪華スタッフが集結したことも話題になっている。
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◇すんなり朝の放送に決まったわけでは…
丸戸さん 日曜朝の番組は初めてです。僕は大人向けゲームをやっていましたからね。監督は「ダイ(ドラゴンクエスト ダイの大冒険)」に参加されていましたよね?
吉田監督 「ダイ」は土曜朝の番組でしたが、僕はメインではなかったので。そういう意味では朝帯の作品は初めてです。
丸戸さん アニプレックスさんから日曜朝、低年層をターゲットにしたアニメのお話をいただきました。キーワードは「音楽」で「音楽ユニットが活躍する」「ヒーロー」「戦う」ということでした。しかも「男女混成ユニット」と言われ、正直に言いますと、えっ!?となって。「戦う音楽ユニット」は受け入れられたけど、「男女混成」というのに最初は戸惑いました。女性ファンにアプローチする男性ユニット、男性ファンにアプローチする女性ユニットの二択だと思っていたので、えらいところを狙ってくる!と(笑)。
吉田監督 僕がお話いただいた時も「青春」「男女混成ユニット」「ヒーロー」というキーワードがありました。「男女混成」の個性的なメンバーがドラマを展開して、音楽があり、ヒーローとしても活躍する……というバランスなのかな?と考えていました。
丸戸さん すんなり朝の放送に決まったと思うじゃないですか? でも、違うんですよ。企画が進むうちに、朝から夕方になり、夜になって朝に戻ってきて……と24時間経過したんです(笑)。 だから最初から最後まで朝を目指してつくっていたわけじゃないんです。
吉田監督 夜といっても深夜ではなくプライムタイムでしたよね。子供も楽しめるアニメにすることは変わっていませんでした。僕が子供の頃に見ていた富野由悠季さんの作品などは大人のドラマがありましたし、子供も楽しめるアニメに大人の要素が混ざるのは、すごくいいと思っていました。丸戸さんのシナリオは、大人と子供の高低差があって、うまく跳ねるとも感じています。
丸戸さん 僕はこれまで、ヒーローや戦いをあまり書いてきませんでした。ドラマは書きますけどね。熱い戦いはプロの方々にお任せしました。僕は会話、人間の闇の部分を任せていただき、アクションはスタジオヴォルンさん、世界観設定は矢野俊策さんというように分担しています。
吉田監督 スタジオヴォルンの社長の三田圭志は、マッドハウスを立ち上げた丸山正雄さんの弟子筋に当たるのですが、その流れでシナリオを重視します。シナリオで重要なのは感情なので、感情をどう拾っていくか?という話を三田はよくしています。感情とカットの派手さがリンクしないと意味がない。カットを作るには、舞台を作らなければいけない。舞台にドラマを乗せていきます。単に舞台があるのではなく、ドラマを活かすための舞台を考えないといけない。今回も丸戸さんが作ってくれたドラマラインに対して、どんなカットがあって、どういう感情を表現するのかを意識しています。ドラマラインにキレイな高低差があるので、さまざまな要素があってもキレイに並んでいくんです。
丸戸さん 戦隊と言われるとそうなんですよね。
吉田監督 人間の闇だけを描くわけではなくて、喜怒哀楽を全部出して、感情の上下、重いドラマを描いています。この作品は、上がる音楽もあるので、喜怒哀楽がバネになって音楽が跳ねます。いい高低差を生んでいます。
吉田監督 一番は“華やか”なんですよね。それをすごく感じています。ドラマがあっての“華”なのですが、そこが光っていて素晴らしいんです。キャラクターの誰もが魅力的ですし、演出していて楽しいし、気持ちいいんです。
丸戸さん 僕はバランスをあまり考えていません。
吉田監督 人間の業だけを描くわけではありません。希望にもつながっています。大人の世界を描くこともありますが、「SI-VIS」のドラマが中心です。青春群像劇として重くなることもあります。ただ、爽快感もあるはずです。音楽の睦月周平さんも素晴らしく、音響監督の名倉靖さんがドラマラインに合わせて音楽を付けてくださるので、キレイな流れができています。
吉田監督 音楽まで計算するのは難しいところなのですが、ドラマラインを整理して、どこで助走して、ピークに持っていくかという滑走路を作っていこうとしていて、そこに対して、フィルムスコアリングで作っていただくこともあります。第9、12、13話はそうですね。
丸戸さん 例えば1分半の戦闘に曲が流れる時、ここで決め技を放つ、感情が動くというようにコンテの段階で決めるのですが、作っていく中で変わっていくことがあります。
吉田監督 音響監督の名倉さんの存在が大きいです。音楽に造詣が深い方なので。SACRA MUSICの担当者の方と、ディレクターの方にも柔軟に対応していただいています。第9話や第12、13話では、まず絵コンテを切って、それを編集したものを音楽チームにお渡しして、それを基に音楽を作っていただきました。テレビシリーズでは、あまり聞かない話です。正確には、コンテスコアリングなのですが。
丸戸さん このシーンで誰が歌ってて、ボーカルが交代する……などという流れはシナリオに入っています。ただ、コンテを書くと、どんどん膨らんでいきます。僕は脚本を書いた時点で終わりなので、あとは基本的に「いい感じで」とお願いしています。
吉田監督 歌いながら話が展開していくので、アクションでものが壊れたりした時、音がかぶるんです。曲があって、効果音、セリフがあるとどれを聞かせるのかが難しいところもあります。セリフを立てる時はセリフを大きくするし、歌を立たせる時もあります。それぞれのボリュームを調整しないといけないんです。音響効果の長谷川卓也さんや録音調整の熊谷翔太さんがテストの時にまず全部の音を聴いて、その後に調整していきます。先日、第21話のダビングがあって、とにかく音が渋滞していました。そういう時も美しく調整していただいています。それもほぼ一発で決まるんです。
吉田監督 そうですね。ただ、チームですごくいいものを作っているので、楽しさが強いです。この環境は僕にとって空前絶後なので、僕はできるだけ前のめりにいこうとしています。
丸戸さん 歌いながら、空拳徒手で敵を倒す!? 武器も使わないということなので、どういうこと!?とはなりましたが、すごく頑張りました。
吉田監督 みっちり詰まっていますしね。
丸戸さん 最初から調整しておけばよかったんですけど。音楽をメインにすることを考慮すると、もう少し少なくてもよかったのですが、大体いつもオーバーしてしまうんです。音楽を使った演出は固定されてしまって、尺も決まってきますし。
吉田監督 毎回のように相談させていただいています。
丸戸さん 削って濃度が濃くなってよくなることもあるけど、削って筋が通らなくなってガタガタに崩れることもあるので、そこは相談させていただいています。
丸戸さん 今まではいい話ですよね。ただ第1クールの終わりがアレでしたから。第2クールは暗いところから始まります。これまでみたいに正攻法だけでは何ともならないところも当然出てきます。第1クールの挫折、克服という部分は、ヒーローものとして絶対にやるべきことでしたが、挫折の質が変わってきます。
吉田監督 アーティストでもあるので、クリエーティブな悩みも掘り下げていくところもあります。もの作りをしてきた人間からすると、その悩みは分かるところもあります。悩む中で、キャラクターの個性がより光ることになるので、見応えもあるはずです。作っていて面白いです。
丸戸さん XENOS(ゼノス)もこれからいろいろ出てきますし。第1クールはSI-VISをじっくり描いてきましたが、第2クールはXENOSのことも描かれます。XENOSも個性的なキャラクターが多いので、そこを楽しみにしていただきたいです。
吉田監督 第12話のクリオスとリュコスの物語も今後もっとはっきりしてきます。作っている側としては先を知っていますし、第12話を見ると(リュコス役の)内田真礼さんの演技がすごくいいんですね。この感動は初見だと分かりにくいところもあるのですが。丸戸さんは、なかなか残酷ですね。
丸戸さん 後で見直すとジワジワくるところもあると思います。
吉田監督 第1クールでキョウヤの故郷が出てきましたが、駅舎や鉄塔など現地の青森、浪岡をしっかり描いています。今後も学生服の色もモデルがあったり、細かく表現しているところもあるので、そこも面白がっていただきたいです。
阿仁間満/MANTANWEB
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