解説:「あんぱん」に続き「豊臣兄弟!」でも好演披露 中島歩が以前語った「テレビという土俵で相撲をとる」こと

大河ドラマ「豊臣兄弟!」で浅井長政を演じた中島歩さん (C)NHK
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大河ドラマ「豊臣兄弟!」で浅井長政を演じた中島歩さん (C)NHK

 仲野太賀さん主演のNHKの大河ドラマ豊臣兄弟!」(総合、日曜午後8時ほか)で浅井長政を演じた俳優の中島歩さん。長政は、5月3日放送の第17回「小谷落城」で、信長(小栗旬さん)を、あと一歩のところまで追い詰めたことを誇りに、小谷城で切腹し、退場となったが、中島さんの演技もあいまって、視聴者に深い余韻を残した。ちょうど1年前に出演した同局の連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」に続き、注目のテレビドラマで好演を披露した中島さんが、以前に語っていたことを紹介したい。

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 ◇浅井長政の誠実な人柄を体現 視聴者は「ロス」

 「豊臣兄弟!」における浅井長政は、義に厚く知勇に優れた青年武将。織田家と同盟を結び、その証しとして信長の妹・市(宮崎あおいさん)を妻に迎える。茶々・初・江の三姉妹をもうけ、幸せな結婚生活を送るも、やがて将軍・足利義昭(尾上右近さん)を奉じて上洛(じょうらく)を果たした信長が、越前の朝倉義景(鶴見辰吾さん)と対立すると、朝倉方に味方して義兄の信長に反旗を翻すことに。

 中島さんは、長政の市に対する愛情の深さと、そんな市を守るため、義兄・信長を裏切らざるをえなかったこと、(長政の言葉を鵜呑みにすれば)戦国の世に生きる一人の武将として、信長を討ち破って天下をとりたいと思ったことを、誠実な人柄をにじませながら、体現。そのため、第17回の最期のシーンでは、市が介錯するという驚きの展開はありつつ、視聴者から「うわぁ…過去一良い漢な長政様」「今回の長政はいい長政だったよなぁ…」「今まで見た大河中、一番死んでほしくない長政…」「今回の浅井長政魅力的な人だったな」「アカン長政ロスになりそう」「長政ロス」といった感想が多数寄せられた。

 1年前の「あんぱん」で、ヒロイン・のぶ(今田美桜さん)の最初の夫・若松次郎を好演したことも、まだ記憶に新しい中島さん。このときの次郎さんと長政の共通点は、「誠実」「慈愛」といった言葉がしっくりくるような、文字通りの“いい人”であること。もちろん、中島さんはそれだけの役者ではないが、「あんぱん」の次郎さんと「豊臣兄弟!」の長政を多少なりとも重ねて見てしまう向きが、視聴者の中にはあったのではないだろうか。

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 ◇「花子とアン」のトラウマ テレビは「怖い」も…

 そんな中島さんが、初めてお茶の間の注目を集めたのが、2014年度前期の朝ドラ「花子とアン」。歌手の美輪明宏さん主演・演出の舞台「黒蜥蜴(とかげ)」で俳優デビューを果たした翌年の出演となったが、中島さんは当時について「(自分のお芝居に対して)評判もすごく悪かったので、それがトラウマになっている」と振り返っている。

 では、このトラウマは払拭されたのか。2025年末の時点ではこう語っていた。

 「やっぱり映画や劇場(舞台)に比べてテレビの影響力の大きさは感じますし、嫌われるのはやっぱり怖いので、いまでも怖いことは怖いです」と──。

 一方、「あんぱん」、さらには「愛の、がっこう。」(フジテレビ系)と印象的な演技を披露した2025年について、「認知してくれる人がかなり増えた印象ですし、『テレビという土俵で相撲をとった』感じです」と一定の手応えを感じている様子だった中島さん。

 テレビの影響力と怖さを認めつつ「有名になって出演する作品を見てもらう、知ってもらうのは自分も望むこと」であり、「この先も「いろいろな作品に主演したいですし、大きな役を演じたい、大きな舞台に立ちたいっていうのはあります」と話ていたのも印象的。本人のトラウマ払拭されたのかどうかは別として、「豊臣兄弟!」の好演を追い風に「テレビという土俵で相撲をとる」姿(偶然にも長政役で相撲をとっていたが……)をどんどんと見せてくれることを期待したい。(岸谷史生/MANTANWEB)

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