注目映画紹介:「映画 こびとづかん カクレモモジリの秘密の桃園」 人気キャラの秘密が明らかに

(C)Toshitaka Nabata/こびと観察会
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(C)Toshitaka Nabata/こびと観察会

 なばたとしたかさんの絵本「こびとづかん」の劇場版アニメ化の第4弾となる「映画 こびとづかん カクレモモジリの秘密の桃園」が16日に公開される。「こびとづかん」は、昆虫でも植物でもない不思議な生き物“こびと”の生態を描いた独特な世界観が幅広い世代から支持を得ている絵本シリーズで、現在までに3本の劇場版アニメが公開されている。今作では人気キャラクターの「カクレモモジリ」の秘密が明かされるほか、「リトルハナガシラ」や「イエコビト」の生態にも迫る三つのストーリーが楽しめる。

ウナギノボリ

 ある日、姉弟が拾った熟した桃にはカクレモモジリが寄生していたが、実は誰も知らない秘密があった……という「カクレモモジリの秘密の桃園」、小さい体ながら気性の荒いリトルハナガシラ、通称“ムシクイ”は小さいマモリコモリと出会い……という「ムシクイの友情」、とある夫婦が引っ越してきた古い一軒家には何かが潜んでいる気配がして……というイエコビトの物語を描く「コビトハウス」の3本立て。

 こびとたちの姿が絵本とは思えぬくらいシュールで、“キモカワイイ”を通り越して刺激的ともいえるが、なぜか性別や世代を問わず幅広く人気を集めているという。パッと見のキャラクター造形で敬遠してしまう人もいるかもしれないが、そこは怖いもの見たさの精神で一度体感してみてほしい。子供の頃に夢中になったような宇宙人や未確認生物にも似たいかがわしさと、クセになるような、ある意味リアルさにやられてしまうに違いない。劇場版は4作目を数えるが、今回は秘密の暴露に友情、ホラータッチの物語と新たなストーリーが3本も楽しめる。個性的すぎるキャラクターと、斬新すぎる展開には心躍らされる。ほんのりただよう昭和テイストはどこか懐かしく、なぜだか目新しさも感じさせる。全国のイオンシネマで公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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