名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
2016年公開の日本版「ゴジラ」の新作のスタッフが1日、発表された。脚本と総監督を人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明さん、監督と特技監督を「のぼうの城」(12年)などのヒット作を製作し、今年8、9月に2部作として公開する「進撃の巨人」の監督を務める樋口真嗣さんが担当する。
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庵野さんは原作・総監督などを務めた劇場版アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(07年、興行収入20億円)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(09年公開、興収40億円)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(12年、興収53億円)がいずれも社会現象となるヒットを飛ばし、今、最も新作の公開が待たれる映画監督の一人。
樋口さんは高校卒業後に「ゴジラ」(1984年公開、橋本幸治監督)のスタッフとして映画界入り。「ガメラ 大怪獣空中決戦」(95年公開、金子修介監督)などで特技監督を務めた。監督としても「日本沈没」(06年公開、興収53億4000万円)、「のぼうの城」(12年公開、興収28億4000万円)などのヒット作を手掛けてきた。今年8・9月公開予定の大ヒットマンガの実写化「進撃の巨人」2部作では監督を務めている。
2人を起用した理由を、配給元の東宝は「ハリウッドでゴジラ復活が報じられて以降、日本のみならず、世界中から熱い期待のまなざしを向けられていました。日本版ゴジラを製作するにあたり、怪獣映画、ゴジラ映画に対する造詣の深さ、深い愛情。展覧会『館長 庵野秀明 特撮博物館』や(12年に庵野さんが企画・脚本を担当し、樋口さんが監督を務めた短編映画)『巨神兵東京に現わる』でのタッグ感。そして何より、常に新しいことをやり続けているお二人であること。12年ぶりのジャパンゴジラにこれほどふさわしいお二人はいないと思い、お願いしました」と説明している。日本が舞台となる新作「ゴジラ」を2人がどのように仕上げるのか、注目だ。
また、新作に登場するゴジラの「足型」も公開された。ゴジラの詳細はまだ明らかにはなっていないが、この足が支える新ゴジラの体長は、これまでで最大とされるハリウッド版「GODZILLA」(14年、ギャレス・エドワーズ監督)の108メートルをはるかに上回る過去最大になる見込みだ。今秋から撮影に入り、公開は16年の夏を予定している。
我々は、何を作ろうとしているのか。
そして何故、空想特撮映画を作る事を決めたのか。
2012年12月。エヴァ:Qの公開後、僕は壊れました。所謂、鬱状態となりました。6年間、自分の魂を削って再びエヴァを作っていた事への、当然の報いでした。明けた2013年。その一年間は精神的な負の波が何度も揺れ戻してくる年でした。自分が代表を務め、自分が作品を背負っているスタジオにただの1度も近づく事が出来ませんでした。2014年初頭。ようやくスタジオに戻る事が出来ました。それから、1年以上かけた心のリハビリにより徐々にアニメの仕事に戻っています。
そして、2015年。旧エヴァの放送から20年後の今、すでに2年以上もお待たせしている、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完成への実現に向けた作業も、なんとか進められています。
僕の周囲の方々、そしてアニメファンの皆様が、再び完結に向かうというモチベーションを支えてくれているからです。本当に、感謝します。
と、同時に今は、空想特撮映画を形にする作業も行っています。始まりは、2013年1月末でした。
東宝の方から直接「ゴジラの新作映画の監督をお願いしたい」と、依頼を受けました。
精神的にも不安定でしたし、「無理です。エヴァもあるし、出来ませんよ」と、その場は固辞しました。
が、東宝の誠意と盟友樋口真嗣監督の熱意に心が動かされ、同年3月、監督を引き受ける事にしました。
過去の継続等だけでなく空想科学映像再生の祈り、特撮博物館に込めた願い、思想を具現化してこそ先達の制作者や過去作品への恩返しであり、その意思と責任の完結である、という想いに至り、引き受ける事にしました。
今しか出来ない、今だから出来る、新たな、一度きりの挑戦と思い、引き受ける事にしました。
エヴァではない、新たな作品を自分に取り入れないと先に続かない状態を実感し、引き受ける事にしました。
同年5月、作品として描きたい、描くべき主題を決めました。
そして同年6月、G作品メモという企画書を東宝に提出、プロット等の作成を開始。
ゴジラが存在する空想科学の世界は、夢や願望だけでなく現実のカリカチュア、風刺や鏡像でもあります。現在の日本でそれを描くという無謀な試みでもあります。
正直、世界資本に比べると制作費も制作時間も極端に少ない日本の現場で、様々な内容面に関する制約の中で、果たしてどこまで描けるのかはわかりません。
ただ、映画としてのプライドを持ち、少しでも面白い映像作品となる様に、本作もシン・エヴァも全力で作っていく事が、今の僕に出来る事だと思って作業を進め、映画の方向性や脚本内容等で紆余曲折あり、現在に至っています。制作者が何を書いても言い訳にしか過ぎず、善意と悪意の前に晒される事態を重々承知の上で、こんな時代のこの国で日本を代表する空想特撮作品を背負って作る、という事を少しでも理解していただけたらという願いから、拙文を寄せています。
最後に、自分を支えてくれる周囲の人々と、作品を支えてくれているファン・観客の皆様の御蔭で再び、映像が作れる、という事に改めて感謝します。ありがとうございます。
脚本・総監督 庵野秀明
その復活に胸躍らせて映画制作の現場に忍び込んで三十年が経ち、その現場で目の当たりにした理想と現実の差を自由なアマチュア映画の世界の第一線を走っていたヒーローにブチまけてからも三十年。ついに時がきました。
向こう見ずな高校生も大学生のヒーローも今やアラフィフ。夢のようなことですが、これからこれを現実に落とし込まなければならないのです。寝言を並べる余裕はありません。どうしてもやりたいこと、やらなきゃいけないこと、絶対にやってはいけないこと、できることならやりたくないことが、四竦みになって私の頭の中で闘っています。さながら脳内チャンピオンまつりです。さて。遊びの時間は終わったのです。それでも、最高の仲間と立ち向かえることが逃げ出したくなるようなプレッシャーに打ち克つ唯一の方法なのです。
この偉大なる神を生んだこの国に生まれたこと、特撮という仕事に巡り合え、続けてこれたこと、そしてこの機会が巡ってきた運命に感謝しつつ、来年、最高で最悪の悪夢を皆様にお届けします。
監督/特技監督(兼任) 樋口真嗣
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