女優の有村架純さん主演の映画「ビリギャル」(土井裕泰監督)が1日に公開された。「ビリギャル」は、累計90万部を突破した坪田信貴さんの書籍「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を実写化。偏差値30の女子高生がある塾講師と運命的な出会いを果たし、指導を受けるうちにやる気に目覚め、慶応大学に合格するという目標に向かって奮闘する姿を描いている。主人公・さやかを演じる有村さんの金髪ギャル姿が話題を集めているが、笑いと涙の爽やかな感動に心打たれる。
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名古屋の女子高に通う工藤さやか(有村さん)は、楽しいことばかり求めて勉強は一切せず、成績が学年最下位となってしまう。危機感を感じた母・ああちゃん(吉田羊さん)は、さやかに学習塾へ通うことを提案。入塾面接に金髪、へそ出し、ミニスカのギャルメークで訪れたさやかは、教師の坪田(伊藤淳史さん)と出会い塾に通い始め……というストーリー。
主演の有村さんのギャル姿が話題先行していることもあり、コメディー要素の強いサクセスストーリーという先入観を持って見たが、想像以上のパワーにグイグイ引き込まれた。ヒロインが慶応大学合格を目指して突き進むという物語が中心にあるものの、その実、友情の在り方や家族の向き合い方などの要素も盛り込まれ、人間ドラマ的な楽しみ方もできる。明るくひたむきなさやかの姿に胸が熱くなるのはもちろん、伊藤さんが演じる坪田先生の温かい人柄や教え方にはうなずかされる部分もある。そして、吉田さん演じるああちゃんの真っすぐで純粋な愛情もすてきだ。キャストの熱演がドラマに深みを与え、感動を味わえる。受験が題材だが、さまざまな世代がそれぞれの視点で味わうことができ、見終わった後は、明日からちょっと頑張ってみようかなと思える勇気と元気がもらえる。有村さんのギャル姿や笑顔の可愛らしさも見どころだ。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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