注目映画紹介:「Zアイランド」哀川翔30周年記念作 ヤクザとゾンビが戦う異色のアクション

映画「Zアイランド」のワンシーン (C)2015『Zアイランド』製作委員会
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映画「Zアイランド」のワンシーン (C)2015『Zアイランド』製作委員会

 俳優の哀川翔さんの芸能生活30周年記念作品で、お笑いコンビ「品川庄司」の品川ヒロシさんがメガホンをとった映画「Zアイランド」が16日に公開される。謎の感染症がまん延した絶海の島を舞台にしたアクションエンターテインメント作で、品川監督が脚本も手掛けている。哀川さんの本気のアクションに加え、木村祐一さんや宮川大輔さんらお笑い芸人たちの熱演、怪演も見どころ。さらに、鶴見辰吾さんや鈴木砂羽さんといった実力派が脇を固めるほか、風間俊介さん、窪塚洋介さんといった若手の演技派が物語を盛り上げている。

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 高級クラブで豪遊していた宗形組組長の宗形博也(哀川さん)と、弟分の武史(鶴見さん)や信也(湘南乃風のRED RICEさん)は、敵対する竹下組に襲われ重傷を負う。抗争が原因で武史は逮捕され、組も解散してしまう。10年後、宗形は運送業を営みながら武史の娘・日向(山本舞香さん)の面倒を見ていたが、出所する武史に会いたくないと日向が家出。宗形らは武史の元妻・桜(鈴木さん)とともに、日向が向かったという家族との思い出の地・銭荷島(ぜにじま)に向かい……という展開。

 ヤクザとゾンビが戦うアクション映画という、どこかB級感を漂わせながら、アクションだけでなく、コメディー要素に感動の人間ドラマもあり、極上のエンターテインメント作に仕上がっている。物語の骨格は仲間が集まり試練に挑む王道ではあるが、ゾンビが融合することで快作、いや“怪作”に早変わり。絶妙なキャラクター配置と、リアリティーとあり得なさ加減のバランスなど、品川監督らしい脚本とこだわりの演出が光っている。哀川さんの芸能生活30周年記念作品だが、安易な感動ものに走らず、アクション全開の個性的な作品で攻めてくるあたり、哀川さんのイメージにぴったり。よくぞここまで個性派を集めたといえるキャストの“怪演”が物語の熱量をさらに上げている。“ゾンビ映画あるある”が詰め込まれ、ゾンビ好きにはたまらない仕上がりで、あまり知らなくても風間さんの説明ぜりふで心置きなく楽しめる。角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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