注目映画紹介:「リアル鬼ごっこ」 鬼才・園監督オリジナル脚本 シュールすぎる怪作

「リアル鬼ごっこ」のワンシーン (C)2015「リアル鬼ごっこ」学級委員会
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「リアル鬼ごっこ」のワンシーン (C)2015「リアル鬼ごっこ」学級委員会

 モデルで女優のトリンドル玲奈さん、篠田麻里子さん、真野恵里菜さんがトリプル主演した映画「リアル鬼ごっこ」(園子温監督)が11日に公開される。「リアル鬼ごっこ」は、山田悠介さんが2001年に出版した人気ホラー小説で、08、10、12年には映画化され、13年には連続ドラマが放送された。何度も映像化されている題材を基にしているが、今作は追い掛けられるターゲットが“全国の佐藤さん”から“全国のJK(女子高生)”に変更された園監督のオリジナル脚本。ヒロインとなる3人の既存のイメージが覆るような体当たり演技で恐怖と臨場感、新たな魅力が伝わってくる。

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 女子高生のミツコ(トリンドルさん)は、何者かに追われて逃げていると、いつの間にか学校にたどり着いた。ミツコはいつもと変わらぬ光景に戸惑いを隠せない。一方、見知らぬ女性にせかされウエディングドレスに着替えさせられたケイコ(篠田さん)、そしてマラソン大会に出場している陸上部のいづみ(真野さん)も、何のために何に追われているか分からないまま逃げることになり……という展開。

 ここ最近おとなしめの作品が続いていた園監督だが、今作は久しぶりに初期の作品を彷彿(ほうふつ)とさせる“園節”全開で楽しませてくれる。飛び散る血しぶきや殺りくなどの過激な描写に加え、ちょっとしたセクシーシーンなど随所に“らしさ”が炸裂(さくれつ)。“何かが何かに追われる”という設定以外は原作の内容を潔く斬り捨てたオリジナル過ぎるストーリーは、シュールさと不条理さに満ちあふれ、園監督作品が好きかどうかで好みは大きく分かれそうだ。ちなみに、「シュールに負けない」というせりふが出てくるが、今作自体を形容しているだけでなく、物語を読み解く上でも鍵を握る言葉だ。どう表現してもネタバレしてしまいそうだが、恐怖にゆがむトリンドルさんの表情をはじめ、篠田さん、真野さんによる迫真の演技だけでも一見の価値あり。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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