女優の吉永小百合さんが26日、東京・銀座の歌舞伎座で開かれた「第2回SAMURAI(サムライ)賞」の授賞式で、同賞に選ばれた山田洋次監督の祝福に花束を持って駆けつけた。1972年に映画「男はつらいよ 柴又慕情」から今年12月公開の最新作「母と暮らせば」まで、山田監督の作品5本に出演してきた吉永さんは「(山田監督は)私にとっては山田学校の校長先生。それと同時に人生の師でもある。いつまでも山田学校の生徒でありたいと思います」と笑顔で語った。
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さらに、「撮影の合間にいろいろな楽しいお話や渥美(清)さんの思い出を聞かせてくださるんですけど、その一つ一つがいつまでも心に残って、映画の世界で仕事をしていて良かったと思えるんです。監督の持っている価値観もとてもステキで、監督についていけるという思いが強い」とコメント。山田監督は「一緒にいると、この人には大事なことをちゃんと言わなきゃいけない、うそは言えない、真実をちゃんと語らなきゃいけない、そういう気持ちにさせてくれる人なので、ついつい一生懸命話しちゃう。だから一緒に仕事するのは僕にとっても励みになるんです」と相好を崩していた。
同賞は、比類なき感性で「サムライ」のごとく、常に時代を切り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える映画賞で、昨年は北野武監督とティム・バートン監督が受賞。2回目となる今年は山田監督とジョン・ウー監督が選ばれ、「第28回東京国際映画祭」(TIFF)のイベント「歌舞伎座スペシャルナイト」内で行われた授賞式に出席。吉永さんとともに、ジョン・ウー監督を敬愛する大友啓史監督も登場した。
山田監督は受賞について「素晴らしい賞をいただけたことを大変光栄に思っております」と喜びつつ、「僕の作品はサムライという名前にふさわしいほど勇ましくはない。ふさわしいのはジョン・ウー監督だと思う。心から彼にお祝いを申し上げたい」とコメント。ウー監督は「私の最も尊敬する映画の師匠である山田監督とともに受賞できてとても名誉に思います」と語り、「私は映画にたいした貢献はしていません。とにかくひたすら一生懸命働いてきました。この賞を受賞するとは想像もしなかった。とにかくこれからもたくさん良い映画を世に送り出したい」とさらなる意欲を見せていた。
授賞式に先立ち、「歌舞伎座スペシャルナイト」として歌舞伎俳優の片岡愛之助さんによる歌舞伎舞踊「雨の五郎」が上演された。また、授賞式後には歌舞伎十八番のうち「勧進帳」を題材にした黒澤明監督の映画「虎の尾を踏む男達」(1945年)がニュープリント、英語字幕付きで上映された。
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