お笑いコンビ「ダウンタウン」の人気番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!(ガキ使)」の大みそか特番「笑ってはいけない」シリーズの名物コーナーが3DS向けにゲーム化される。長年にわたって同番組を手がけ、自身もたびたび出演している“ガースー”こと総監督の菅賢治さんに番組の裏側や、今回のゲームについて話を聞いた。
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「笑ってはいけない」シリーズは、ダウンタウンの松本人志さんと浜田雅功さん、月亭方正さん、ココリコの遠藤章造さんと田中直樹さんの5人が「どんなことが起きても絶対に笑ってはいけない」というルールでロケに臨む人気企画。大物俳優や著名文化人らが「仕掛け人」となった笑いのトラップが仕掛けられ、笑うと罰ゲームとしてお尻をたたかれる。数回のレギュラー放送やスペシャル番組を経て、2006年から日本テレビ系の大みそか特番として放送され、NHKの紅白歌合戦に次ぐ視聴率を記録している人気番組だ。
ゲームのタイトルは「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド」(アルケミスト)。黒鬼に捕まらないように逃げ回りながら、鬼ごっこに有利なアイテムを駆使しながら、目的を達成していく3Dアクションゲームで、プレーヤーは五つの世界を支配する“ガースー大王”の打倒を目指す。12月17日発売。
番組の企画が生まれたきっかけについて、菅さんは「笑ったら罰を受けるというのはどうですか?」という松本さんのアイデアだったと振り返る。大みそかの特番には、レギュラーのスタッフ約30人に、50~60人の制作スタッフが加わり、200台を超える小型カメラを使用するそうで、「関東エリアのCCD(小型カメラ)がなくなるほど」(菅さん)という大規模なものだ。
一方、ダウンタウンら5人の“笑いのプロ”を笑わせるべく数々の企画を考えるのは、放送作家の高須光聖さんら7、8人の精鋭スタッフだ。放送は6時間もの長時間に及ぶが、それでも編集でカットする部分は膨大で、丸々一つコーナーをつぶすこともあるという。
菅さんのこだわりは、質感を含めたセットのリアルさだ。「ものすごい金額をかけたリアルなセットで間抜けなことをやるから面白い」と話す。制作費の3分の1以上はセットにかけるといい、「実はバラエティーはリアルなところから始めないと遊べないんです」と持論を熱っぽく語る。
「『バイオハザード』や『ドラゴンクエスト』は新しいのが出たら必ずやります」という菅さんだが、「ゲームを遊ぶのは好きだけど、自分が関わっているものがゲームになるなんて想像がつかなかった」と語る。今回のゲームの開発については、“餅は餅屋”とほとんど口を出さなかったという菅さんだが、唯一要望を出したのが「鬼の質感」だった。
番組に出てくる鬼のコスチュームは一着50万円以上するという特注品。メタリック調のコスチュームは、暗がりの照明では不気味に光り、「間抜けなお仕置きをするけれど、出てきた瞬間はちょっと怖い感じ。ここが出オチになってしまうと後に続かない」とこだわりを語る。ゲームを手がけたアルケミストの浦野重信社長も「すごく珍しいオファーだった。『鬼のテカテカを(きちんと再現してほしい)』と言われて『そこですか』と驚いた」と振り返る。
今年も「笑ってはいけない」が放送されるのかはまだ発表されていないが、もし放送されるとしたら大みそか特番としては10周年だ。菅さんは「大みそかに、紅白歌合戦の“真裏”に全国ネットで6時間も番組をやらせてもらうなんてテレビ屋として光栄なことだし、芸人の皆さんにもそう言っていただけた」と語る。
「ずっと現場で芸人さんとわいわいやっていたい」という思いから、昨年3月末で古巣の日本テレビを早期退職。今は「ガキ使」「踊る!さんま御殿!!」といった日本テレビの番組だけでなく、爆笑問題の太田光さんとくりぃむしちゅーの上田晋也さんのミニ帯番組「太田上田」(中京テレビ)を名古屋で手がけるなど活動の幅を広げている。「日本で一番尊敬している人たちと仕事をさせてもらっているから、ずっと刺激を受け続けていられる」と語る菅さん。発表されてはいないが、10周年でよりパワーアップした「笑ってはいけない」を期待したい。
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