韓国映画「建築学概論」(2012年)のスタッフが贈るヒューマン作「明日へ」(プ・ジヨン監督)が6日に公開された。2007年に韓国国内で起きた実在の事件を題材に、不当解雇された大型スーパーの非正規雇用の女性たちの奮闘を力強く描き出した。アイドルグループEXOのメーンボーカルD.O.(ディオ)ことド・ギョンスさんが映画初出演を飾り、エンディング曲も歌っている。
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ソニ(ヨム・ジョンアさん)は、国内売り上げトップを誇る大型スーパーマーケットのレジ係として働いている。勤務評価が高く、入社5年目で正社員への昇格が決まった。夫が出稼ぎに出ていて家計が苦しいヘミは残業もいとわず、子育てと仕事に追われていた。ある日、すべてを業務委託にするということになり、非正規雇用者全員に解雇の通達が下る。解雇撤回を求めて労働組合ができ、企業を相手に活動をしていくのだが……という展開。
突然、失業者になる。そんな人生の壁に立ち向かっていく人間の姿を、主婦のヘミを軸に明るさとパワーで描き切った。彼女たちには事情があり、それぞれに生活がかかっている。労働者が団結する話だが、おそろいのピンクの服を着た彼女たちが歌い、笑う今作には、女性だからこその温かさと力強さがみなぎっている。闘うのは、生活のためだけではない。店長に直談判に行き、「主婦の気まぐれ」といわれ、会社に踏みにじられて傷つけられた彼女たちのプライドがそうさせるのだ。一人一人が力を合わせて、会社側に立ち向かっていく闘いには、「人として扱ってほしい」という心からの叫びが垣間見え、泣けてくる。そんな負の状況に、母親に反発していた息子が内緒でアルバイトを始めるエピソードを入れ込み、温かい気持ちにさせられる。その息子役をD.O.ことドさんが、映画初出演ながら繊細に演じた。「ビッグ・スウィンドル!」(04年)などに出演したジョンアさんほか、頼れる清掃員役にドラマ「ファン・ジニ」などのベテラン女優キム・ヨンエさんらが出演。TOHOシネマズ 新宿(東京都新宿区)ほかで6日から公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。今作のエンディング曲、寂しげでなかなかいいです。
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