俳優の西島秀俊さんの主演映画「劇場版 MOZU」(羽住英一郎監督)が7日に公開される。TBSとWOWOWで2シーズン制作された連続ドラマの劇場版でテレビシリーズの半年後から物語が始まる。フィリピンロケを行い、国内では絶対に撮れないだろう“規格外”のアクションシーンが満載。またシリーズの最大の謎でもある巨悪「ダルマ」の正体が明らかになる。
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「MOZU」は、ハードボイルド作家・逢坂剛さんのシリーズ累計240万部を突破した警察小説が原作で、2014年4月からTBS系列でシーズン1(全10話)、同年6月からWOWOWでシーズン2(全5話)を連続ドラマとして放送された。公安のエース・倉木尚武(西島さん)が、殺し屋・百舌(モズ)の存在の謎や公安の秘密作戦にまつわる悲劇、国家を揺るがす策略などに迫る姿が描かれた。
劇場版には、ドラマ版から出演する西島さん、香川照之さん、真木よう子さん、池松壮亮さん、杉咲花さんに加え、劇場版からビートたけしさん、伊勢谷友介さん、松坂桃李さんらが出演。倉木が妻の死の真実にたどり着いてから半年後を描く。気力を失った倉木と、警察への不信感から警察をやめ探偵事務所を開いた大杉(香川さん)、ともに謎を追っていた明星(真木さん)の3人が、同時に起きた二つの過激テロの犯人を追ううちに、裏で暗躍していたシリーズの最大の謎でもある巨悪「ダルマ」の正体にたどり着く……というストーリー。
ドラマシリーズはテレビの枠に収まらないアクションが見どころだったが、劇場版はさらに上を行くアクションシーンが満載だ。フィリピンロケでの規格外の銃撃戦やカーチェイス、肉体と肉体のぶつかり合いなど、とにかく、見ているこちら側も痛みを感じるほど倉木は何度も痛めつけられ、白いシャツが血で汚れていないシーンはないくらいだ。だが“打たれ強い男”倉木は何度でも起き上がる。倉木は普段は無表情だが、家族の話を持ち出されると見境のなくなるところがあり、淡々とした外見の中に熱いものを秘めている様子は西島さんにぴったりだ。池松さんと松坂さんのサシでの勝負も圧巻で、また不気味な黒幕「ダルマ」を演じたビートたけしさんの存在感は実力派が集まるキャストの中でも群を抜いていた。
まだまだ倉木の活躍を見たいところだが、続編は作れないであろう終わり方で、これで「MOZU」は完結だろう。今後、羽住組でのハードボイルドな西島さんの姿をまた違う作品で見てみたい。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで7日から公開。(細田尚子/毎日新聞デジタル)
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