SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、「とある魔術の禁書目録」シリーズの作者・鎌池和馬さんのライトノベルが原作のアニメ「ヘヴィーオブジェクト」です。ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントのプロデューサー・中山信宏さんに作品の魅力を語ってもらいました。
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--作品の概要と魅力は?
世界中で起こる戦争が「超大型兵器オブジェクト」と呼ばれる兵器同士の戦いで行われるようになった世界が物語の舞台です。核兵器すら通用しない「オブジェクト」を用いるようになった戦争はそのあり方が全く変わってしまい、「オブジェクト」以外の兵器はほとんど意味のないものとなってしまったために、戦争にも関わらなくなり、そういった多数の犠牲が出ない状況は、「オブジェクトを用いたクリーンな戦争」として認められています。
そんな中、オブジェクトの設計士を目指して戦場に派遣留学生としてやってきた「クウェンサー」と、貴族の息子でありながら、家督を継ぐ“箔(はく)付け”のための功績を戦場で上げることを目的としている「ヘイヴィア」がとある戦場でコンビを組む所から物語は始まります。
その戦場で自軍の「オブジェクト」の「ベイビーマグナム」が負けて破壊されたため、降伏の合図を出した時、本来であればそのまま戦闘は終了するはずだったのですが、相手側がそれを無視し、「オブジェクト」を使ってそのまま虐殺を始めてしまいます。「オブジェクトを用いたクリーンな戦争」であったはずの戦場は、そんなルールの通用しない地獄と化し、クウェンサーやヘイヴィアもそのまま殺されるかというときに、「ベイビーマグナム」を操縦していたエリート「ミリンダ」が、「ベイビーマグナム」が破壊されて脱出した自分をおとりにして、他の仲間を逃がそうとします。
その状況に甘えて脱出しようとする面々に対して、クウェンサーは、たった1人で戦争の勝ち負けを担うプレッシャーを1人で引き受けていたにも関わらず、その上自分の身を犠牲にして、他の面々を助けようとする彼女を放ってはおけないと、ミリンダを助けようと1人で向かってしまいます。
その後クウェンサーは敵兵に捕まっているミリンダを見つけ、助け出そうとしたときに、危うくやられそうになったところを助けてくれたヘイヴィアと、ミリンダと一緒に、生身で敵オブジェクトを倒すべく立ち向かっていくことになります。
戦争の有り様さえ変えてしまった「オブジェクト」を本来であれば決して成し遂げることのできない人の手で破壊するという無理難題に挑んでいくさま、その時に行われる知力を駆使した戦いが作品の魅力になります。50メートルを超える巨体のオブジェクトにちっぽけな人間が向かっていく、ある意味怪獣映画的なスケール感も楽しんでいただきたいです。
またクウェンサーとヘイヴィアのコンビの軽快なやり取りは、昔の日本ドラマや海外ドラマを意識していますので、そういったバディー物の雰囲気を楽しんでいただければと思います。もちろん、ヒロインのミリンダはとてもかわいらしいので、彼女の魅力も楽しんでください。
--アニメにするときに心がけたことは?
50メートルを超える大きさのオブジェクトとそれに立ち向かう人間のスケール差をどう描くかを心掛けました。同一画面内にオブジェクトと人間を収めるのはとても難しいので、カットのつなぎで、それぞれにカメラを振ることでその差を出すようにしたり、背景等との対比でスケール感を出すように心掛けています。また、オブジェクトをCGで描くことで、オブジェクト同士のド派手な戦闘シーンもしっかりと見せるようにしています。
クウェンサーとヘイヴィアの軽快な掛け合いが重要なのですが、セリフ量がどうしても多くなってしまうので、テンポ感を重視しつつ、情報量を多めに入れられるようにしています。設定的にどうしても突飛な部分も出てきてしまうのですが、そこの整合性を取るよりは、あくまでもエンターテインメント性優先で勢いやノリを生かすようにしています。
--作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?
「とある魔術の禁書目録」でお世話になった作者・鎌池和馬さんの原作を改めてアニメ化できるというのはプレッシャーもありましたがとてもやりがいがある部分でした。また、クウェンサーとヘイヴィアの軽快なやり取りは、某「あぶない刑事」的な雰囲気を出せればと意識していたのですが、クウェンサー役の花江夏樹さんとヘイヴィア役の石川界人さんが、プライベートでも仲が良いということもあり、うまく演じていただけていると思います。ミリンダ役の鈴木絵理さんも、感情をあまり表に出さない彼女の雰囲気をうまく表現していただいていると思います。
大変だったことは、原作が小説なので、マンガ原作と異なり、元となる絵がすべてあるわけではないので、イチから起こしていく必要のあるものが膨大にありました。ミリタリーやSF的要素、特に「オブジェクト」の巨大さや威圧感といったものをどう描くかがとても大変でしたね。そこは渡部高志監督に初期の話数のコンテで方向性を示してもらうことで、現場的にも対応できました。そういった「まだ見ぬ何か」という部分は、渡部監督のセンスに頼ることが多かったですね。
--今後のみどころを教えてください。
これから先、いろんな種類のオブジェクトと戦うことになっていきますので、それぞれのオブジェクトの特性がどう描かれるのかや、またそのオブジェクトをクウェンサーとヘイヴィアがどうやって倒すのかという部分を楽しみにしていただければと思います。それに合わせてさまざまなシチュエーションでの戦いや新キャラクターも出てきますのでお楽しみに。
--ファンへ一言お願いします。
どうしても難しい用語や説明が多くなってしまいがちなのですが、公式サイトでオブジェクトや用語の解説などを行っていますので、ぜひ参考にしていただければと。
あとは何と言ってもクウェンサーとヘイヴィアのコンビの軽快なやり取りが魅力の作品なので、ある意味肩の力を抜いてリラックスしして、2人のやり取りを、例えば「またこんなこと言ってるよ。しょうがないなあ」的な雰囲気で楽しんでいただければと思います。
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 中山信宏
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