注目映画紹介:「俳優 亀岡拓次」安田顕が脇役俳優役で主演 笑いと哀愁あふれるトリップ映画

映画「俳優 亀岡拓次」のワンシーン (C)2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会
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映画「俳優 亀岡拓次」のワンシーン (C)2016『俳優 亀岡拓次』製作委員会

 俳優の安田顕さんの主演映画「俳優 亀岡拓次」(横浜聡子監督)が30日に公開される。37歳独身で脇役が多い俳優・亀岡拓次(安田さん)が巻き起こす出来事を“業界あるある”を交えつつユーモラスかつハートフルに描いた作品。「ウルトララブストーリー」(2009年)以来7年ぶりの長編となった横浜監督がメガホンをとり、主人公が恋する居酒屋の女将を麻生久美子さんが演じるほか、染谷将太さん、工藤夕貴さん、三田佳子さん、山崎努さん、新井浩文さんら豪華キャストが出演している。

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 俳優の亀岡拓次(安田さん)は仕事をなるべく断らず、泥棒、チンピラ、ホームレスをはじめ、どんな役でも演じ“最強の脇役”として監督やスタッフから愛され信頼されていた。ある日、ロケ先の長野県諏訪市で入った居酒屋「ムロタ」で、若女将の安曇(麻生さん)と出会い恋をする。亀岡は撮影のため東京都内から地方まで忙しく飛び回る日々を送る中、自身が心酔する世界的巨匠のアラン・スペッソ監督の新作オーディションを受けることになり……というストーリー。

 今作の魅力は主人公・亀岡拓次のひょうひょうとしたキャラクターと生きざまであり、それは“俳優・安田顕”の魅力と重なる。安田さんは多彩な役柄を数々の作品で演じており、亀岡とオーバーラップして見える。大作映画のような派手さはないが、劇中劇が差し込まれたり、亀岡の夢や妄想なども入り乱れたりして、トリップ感が味わえる。また「スクリーンプロセス」という特撮の合成技法が劇的で面白い。シュールな笑いと、仕事から私生活までリアリティーを持って描かれた俳優の日常の描写が興味深く、酒と女があれば幸せで、自分が面白いと思うことに忠実に向かっているだけという亀岡の生き方が魅力的に感じられた。30日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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