青年マンガ誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中のマンガを基に、山田孝之さん主演で実写化した人気シリーズの第3弾となる映画「闇金ウシジマくん Part3」(山口雅俊監督)が22日に公開された。「闇金ウシジマくん」は、「10日で5割(トゴ)」という違法な高金利で金を貸す「カウカウファイナンス」社長の丑嶋(ウシジマ=山田さん)と、不良債務者たちの姿をリアルに描き、深夜ドラマが2010年と14年に放送、12年と14年には劇場版が公開された人気作。今年7月からはドラマ「Season3」が放送された。映画は原作の「フリーエージェントくん編」と「中年会社員くん編」を基にした物語が展開。10月22日からは「闇金ウシジマくん the Final」が公開される。
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派遣の仕事で食いつなぐ真司(本郷奏多さん)は、ある日、撮影中のタレントの麻生りな(「乃木坂46」の白石麻衣さん)を街で見かけ、一生縁がなさそうな美人に社会の格差を実感。そしてネット長者・天生翔(浜野謙太さん)が主宰するセミナーに半信半疑で出席した真司は、人生の一発逆転を狙った億単位のマネーゲームに巻き込まれていく。一方、妻がいながらキャバクラに通い続けるサラリーマンの加茂(「オリエンタルラジオ」の藤森慎吾さん)は、美人キャバ嬢・花蓮(筧美和子さん)を落とすことに躍起になっていたが……というストーリー。
ウシジマと債務者らの人間模様を、笑いを交えながらも赤裸々に描き人気を集めてきたシリーズも、今作と次作の「the Final」でフィナーレを迎えるとあって一抹の寂しさを感じる。映画版の第3弾となる今作もウシジマ“らしさ”全開で、やや極端に描かれてはいるが、人間がいかに欲や誘惑に勝てないかという弱い部分を嫌というほど見せつけられる。そして薄ら寒い気持ちにさせられつつも、ある種人間の本性をディープに鋭く突くストーリーに思わず熱狂させられる。ネット社会の闇と実業家の不安定さといった要素をリアリティーたっぷりに描く展開はテンポがよく、シリーズファンはもちろんのこと、初めて見る人でも濃いキャラクターばかりなので人間関係がつかみやすく、単純に楽しめる。どのキャラクターに感情移入して見るかで印象が変わるが、やはりハマリ役ともいえる山田さん演じるウシジマのダークなカッコよさに胸を躍らされた。どのような結末を迎えるのか、来月公開のファイナルが待ち遠しい。22日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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