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ダンダダン:作者・龍幸伸に聞く食事シーンへのこだわり 希望と優しさを込めて

「ダンダダン」の第4話「ターボババアをぶっ飛ばそう」の一場面(C)龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会

 集英社のマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の龍幸伸さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ダンダダン」。10月にMBS・TBS系の深夜アニメ枠「スーパーアニメイズムTURBO」で放送をスタートし、迫力のバトルシーン、サイケデリックな色使いなど、斬新な映像が話題になっている。第4話では、モモ(綾瀬桃)、オカルン(高倉健)と、ターボババアとの“追いかけっこ”が終結を迎え、モモたちがみんなで食事をするシーンが描かれた。原作でもキャラクターたちが食卓を囲む場面が多く、特に一つの戦いが終わった時は恒例のように食事シーンが描かれる。そこには、どのような思いが込められているのか。原作者の龍さんに聞いた。

 ◇働いた後には食事 頑張った人には対価を

 「ダンダダン」は、宇宙人を信じない少女・モモと、幽霊を信じないオカルトマニアの少年・オカルンが圧倒的怪奇に出会う……というストーリー。心霊スポットのトンネルでターボババアに遭遇したオカルンは、呪いによる力で変身できる体になり、霊媒師の家系のモモは、セルポ星人に襲われたことをきっかけに秘められた超能力が目覚める。二人は、特殊な力を発動させ、次々と現れる怪異に立ち向かうことになる。

 戦いが一段落した時に描かれるにぎやかな食事シーン。龍さんは「スタジオジブリの作品がすごく好きで、宮崎駿さんの作品にすごく感銘を受けている」といい、「宮崎駿さんの作品は、労働した人は絶対食事をするんです。それはもう働けないからです。自分もそれと同じで、働いた後には絶対食事がある、というふうに作っています」と説明する。また、「じゃりン子チエ」の「人間に一番悪いのは腹がへるのと寒いゆうことですわ」という名言も、食事シーンを重要視する姿勢につながっているという。

 「頑張った人には対価があってほしい」という思いも食事シーンには込められている。

 「頑張ったのに何もないんじゃどうしようもないじゃん、という。やはり、優しさがほしいですよね。僕自身、貧乏な時代もあったので。アシスタント時代、先生に『ちょっと夜食を食べてきなよ』と1000円渡されるんですよ。その1000円がめちゃくちゃありがたくて。ホイコーローを食べて、帰りに缶コーヒーを買って、また職場に戻って仕事をする、というのが自分の中ですごく残っているんです。大変だったから、この大変な感じをほかの人に経験してほしくないんです」

 「ダンダダン」について「エンターテインメントなので、読んだ人に絶対に希望というものをちゃんと見せて終わらせたいと思っています」とこだわり、自身も「優しくなりたい。一番大事です」と語る。

 希望と優しさが込められた「ダンダダン」の食事シーン。テレビアニメでは、どう表現されるのか、注目したい。

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