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早川惺さん:最年少17歳で司法試験合格、高校2年生の素顔 クリスマスプレゼントに「六法全書」 「モンスター」Pと対談

「モンスター」の加藤春佳プロデューサーと早川惺さん(右)=カンテレ提供

 史上最年少の17歳で司法試験に合格した、筑波大学附属駒場高等学校2年の早川惺(しょう)さん。昨年、高校1年生で司法試験に挑むための「予備試験」に合格して今年、本試験に合格した。そんな早川さんは、放送中のリーガルドラマ「モンスター」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)の加藤春佳プロデューサーと対談し、試験に挑戦した理由や、現在の心境、これからの目標を語った。

 ◇討論の授業にかじりつき 「これなら夢中になれるかも」

 ドラマは、“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体の知れないモンスター弁護士・神波亮子(趣里さん)が、時に法の追いついていない令和ならではのさまざまな問題と向き合い、ゲームのように法廷闘争に立ち向かうリーガル・エンターテインメント。

 亮子は高校3年生で司法試験に合格したが、早川さんはドラマの設定を越えて、高校2年生で合格した“リアルモンスター”。

 「めちゃくちゃうれしかったです」と合格を喜ぶ早川さんは「自分の番号を見た瞬間はホッとして、喜びと安心感が混ざった不思議な感情になりました。これからさらに掘り下げ、著作権や特許など専門的に勉強したいと思う分野もあって、今からワクワクしています」と次の目標を口にした。

 司法試験に挑戦した理由は、子供の頃から抱いていた夢ではない。中学校に入学した以降は、周囲の“すごさ”に圧倒された。

 「中高一貫校の筑波大学附属駒場中学校に入学したのですが、中学受験が終わった後、将来何になりたいか、明確な目標がなくダラダラしていた期間がけっこう長かったんです。その間も学校の友人たちはすごく頑張っていて。例えば、化学で賞を総ナメにしていたり、プログラミングの分野で世界的に活躍していたり、すごい友人たちが近くにいて、彼らは自分たちのスキルを突き詰めて、多くの実績を上げていました。僕は何も夢中になれるものがなく、将来何をやりたいんだろうって、中学校3年生になり思い悩むようになりました」

 悩める早川さんは、公民の授業が好きなことに気付いた。中でも、日常的な題材をもとにした討論形式の授業にかじりついたという。

 「もしかしたら、これなら夢中になってやれるんじゃないか、将来やりたいことにつながるかもしれないと思い、中学3年生のクリスマスプレゼントに六法全書をお願いして、勉強するようになりました」

 「実際に勉強を始めてみたら、これがもうめちゃくちゃ面白くて。社会の仕組みや法の仕組みを勉強すればするほど、もっと知りたいっていう、スパイラルに入っていった感じです。それで、司法試験には年齢制限がないので、受験資格を得るための『予備試験』をまずは目指してみようと思いました」

 ◇両親は「覚悟を持ってやりなさい」とエール 「自分ごととして捉えられた」

 司法試験を目指すにあたり、猛勉強の日々がスタートした。「平日は、学校から帰って、塾のオンライン授業を午後10時、11時まで受けるという生活でした。休日は6、7時間は少なくとも勉強してました」と興味のおもむくまま、がむしゃらに、目標に向かっていった。

 「何より、興味が原動力だったので、効率的に計画的に勉強を進めるぞ、というよりは、分からないところとか、つまずいたところがあったら、徹底的に突き詰めて理解できるまで取り組むっていうやり方です。直前期は、限界まで頑張って、午前7時には起きて、午後11時まで1度も休まずに勉強するとか、休憩はご飯とお風呂だけみたいな感じでした」

 両親は弁護士ではなく、法律にも詳しくない。それでも、早川さんの挑戦を応援した。その際に、言われた言葉を教えてくれた。

 「好きなことをやればいいけど、やったことには責任を持ちなさい、と言われてきました。これは中学受験の時も同じで、中学受験をしたいと言い出したのも僕でしたし、司法試験、予備試験を受けると決めた時も、受けたいなら受ければいいと。ただ、中途半端に投げ出したりせずに、覚悟を持ってやりなさいって言われて。だからこそ自分ごととして捉えることができた。自分が好きで自分がやりたくて、これに魅力を感じてやってるんだって思えたので、それは本当にありがたかったです」

 ◇将来は「日本のクリエーターを守る弁護士になりたい」

 アニメやドラマも好きでテレビもよく見るという早川さん。ドラマ「リーガル・ハイ」も好きな作品で、DVDも持っているという。「運動は苦手で整理整頓も苦手」という素顔も語ってくれた早川さんが掲げる将来の夢とは。

 「司法試験を目指す過程でできた夢なのですが、将来は、日本のクリエーターを守る弁護士になりたいと思っています。アニメ、ゲーム、ドラマ、映画、音楽といったコンテンツは、日本が世界に誇れるものだと思います。でも、今、生成AIの台頭によって大きな変化が起きています」

 「生成AIで、これまで大人数で取り組んでいたことを、少人数で作ることも出てくるでしょうし、すでに生成AIで権利が侵害されている事例もあると聞くので、今が節目というか、重要な局面にあるのかなと思うんです」

 「日本のコンテンツ産業にとって大きな飛躍のチャンスでもあると思うんですけど、逆に言えば、著作権とか法的な整備が整わず、そのチャンスや成長が阻まれてしまうこともまた同様にあると思います。だからこそ法律の知識や法整備がめちゃくちゃ大事だと感じていて、日本企業や日本のコンテンツビジネスに携わるクリエイターたちを法的にサポートしたりとか、法整備に携わったり、日本のコンテンツビジネスが世界で活躍するための助けになれればというか、陰ながらサポートしたいなって思っています」

 加藤プロデューサーは、現在入社7年目の28歳。カンテレ史上“最年少”のドラマプロデューサーでもあるが、最年少で司法試験に合格した早川さんをどう感じたのか。

 「自然体に好きなことを突き詰めている“モンスター”だなと感じて、それがすごく亮子と近い気がして、そんな人が現実にいることを目の当たりにして、すごくうれしいです。亮子に仲間がいたみたいな(笑い)。亮子に教えてあげたいと思いました」と刮目。早川さんとの対談は感心することの連続、と振り返った。

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