この「高石あかり 解説」ページは「高石あかり」の解説記事を掲載しています。
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)が、9月29日にスタートする。「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく、夫婦の物語となる。前作「あんぱん」の今田美桜さんに代わって“朝の顔”となる、ヒロイン・松野トキ役の高石さんの“横顔”を紹介したい。
◇初主演映画が異例のヒット 塚原あゆ子も「あなたのお芝居が好き」
高石さんは2002年12月19日生まれ、宮崎県出身の22歳。ダンス&ボーカルグループ「α-X’s(アクロス)」のメンバーを経て、2019年から本格的に俳優としての活動を開始した。
代表作は「ベイビーわるきゅーれ」シリーズだ。舞台「鬼滅の刃」の竈門禰?豆子役などを経た2021年に、高石さんの初主演映画(伊澤彩織さんとのダブル主演)として1作目が劇場公開。同作は、社会に適合できない美少女殺し屋コンビが主人公の青春バイオレンスアクションで、上映館数が決して多くない中、口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録した。
同シリーズはその後、続編映画、テレビドラマも制作され、高石さんを語る上で欠かせない作品となった。
高石さんは2023年に公開され、大ヒットした映画「わたしの幸せな結婚」にも出演。奇遇にも、後に「あんぱん」で主演を務め、高石さんから見たらいわば“前任”となる今田さんのことを、“虐げる異母妹”という役どころだった。
同作でメガホンをとったのは、TBS系の人気ドラマ「アンナチュラル」「最愛」「海に眠るダイヤモンド」などの演出で知られる塚原あゆ子監督。当時のインタビューで高石さんは、塚原監督から試写会で会ったときに「手紙をいただいた」と明かした上で、そこにつづられていた「私はあなたのお芝居が好きです」との言葉が「宝物」になったと語っていた。
◇「ばけばけ」CPに「一番長く見たい」と思わせた
塚原監督の言葉を胸に順調に作品を重ねていった高石さん。2023年のNHK“夜ドラ”「わたしの一番最悪なともだち」にもメインキャストとして起用され、主人公にとって“一番最悪なともだち”と言える幼なじみを好演。主演を務めた蒔田彩珠さんとは、今年1月期に放送され、話題となったTBS系日曜劇場「御上先生」で再共演を果たしている。
その「御上先生」でも高石さんは、主人公が担任を務める3年2組の生徒・千木良遥役として、しっかりと存在感を示す。千木良は、真面目で育ちが良く控えめな性格。成績も優秀で優しく友達思いな女子高生。「ベイビーわるきゅーれ」「わたしの幸せな結婚」「わたしの一番最悪なともだち」あたりとは似ても似つかない役どころとなったが、終盤、不正入学問題と共にスポットが当たる中、千木良の気持ちの揺れや複雑な心情を、実に繊細に表現してみせた。
そんな高石さんは間もなく、応募2892人の中からオーディションによって選ばれた「ばけばけ」のヒロインとして朝ドラデビューを果たす。
時代は明治で、演じる松野トキは、松江の没落士族の娘で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツがモデルと、これまでのキャリアを考えれば、まだまだ未知数な部分も多い。
一方で、制作統括の橋爪國臣チーフプロデューサーは以前、オーディション時を振り返り「高石さんが入ってきたときに『この子なんだな』と思わせるぐらいの輝きを放っていた」と話ていて、「一番長く見たいなと思わせたのが高石さんでした」などと起用理由を説明。配役には(当たり前だが)自信ありだ。
高石さん自身は、「わたしの一番最悪なともだち」時のインタビューで「無色透明で、どんな役にも染まることができる。カメレオンみたいな、そういう役者さんになっていけたらと思っています」と理想を語っていて、その言葉通り、「無色透明」さは高石さんの魅力の一つ。「ばけばけ」でも新たな顔を見せてくれるに違いない。