2025年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」で、ヒロインを演じることが決まっている俳優の高石あかりさん。応募2892人の中からオーディションによって選ばれた彼女に対して、すでに「久しぶりのフレッシュな女優さんの主演になる感じ」「朝ドラのヒロインはこうでなくちゃ!の典型の方が選ばれてうれしい」などと歓迎する声が上がっている。今年の秋からは“朝の顔”としてお茶の間をにぎわせてくれそうな高石さんはどんな俳優なのか、期待を込めて紹介したい。
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高石さんは2002年12月19日生まれ、宮崎県出身の22歳。ダンス&ボーカルグループ「α-X’s(アクロス)」のメンバーを経て、2019年から本格的に俳優としての活動を開始した。
代表作は「ベイビーわるきゅーれ」シリーズだ。2021年に高石さんの初主演映画(伊澤彩織さんとのダブル主演)として1作目が劇場公開。同作は、社会に適合できない美少女殺し屋コンビが主人公の青春バイオレンスアクションで、上映館数が決して多くない中、口コミで評判が広がり、異例のロングランヒットを記録した。
同シリーズはその後、続編映画、テレビドラマも制作され、高石さんを語る上で欠かせない作品となった。
2023年公開の映画「わたしの幸せな結婚」では、ヒロインを虐げる異母妹、同年のNHK“夜ドラ”「わたしの一番最悪なともだち」では、主人公にとって“一番最悪なともだち”と言える幼なじみに扮(ふん)するなど、正統派ヒロインとしてのイメージが希薄なのも、ある意味、魅力的。果たして、「ばけばけ」ではどんな顔を見せてくれるのか。
美少女殺し屋役からわずか4年で朝ドラヒロインまで駆け上がった“シンデレラガール”への期待は高まるばかりだ。
では「ばけばけ」はどんなドラマなのか。髙石さん演じるヒロインの松野トキは、松江の没落士族の娘で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツがモデル。外国人の夫と共に「怪談」を愛し、西洋化が進む明治の日本で埋もれてきた「名もなき人々」に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語となるという。
これまでのキャリアを考えれば、未知数な役どころに挑戦する高石さんだが、「ばけばけ」の制作統括・橋爪國臣チーフプロデューサーによると、オーディション時「高石さんが入ってきたときに『この子なんだな』と思わせるぐらいの輝きを放っていた」という。
さらに「衣装を着てもらって、カツラをつけてもらって、メークをしてセットの中に入って、ふじきみつ彦さんが書いた台本を演じていただいたのですが、高石さんはお芝居をしているというよりは、本当にそこにすんでいるように思えてきたんです」「一番長く見たいなと思わせたのが高石さんでした」などと起用理由を説明。配役への手応えをのぞかせていた。
1月期には、松坂桃李さんが主演を務めるTBS系の日曜劇場「御上先生」に、奥平大兼さん、窪塚愛流さん、蒔田彩珠さん、吉柳咲良さんら次世代を担う注目の若手とともに、やはりオーディションからの選出で出演することが決まっている高石さん。以前のインタビューで「無色透明で、どんな役にも染まることができる。カメレオンみたいな、そういう役者さんになっていけたらと思っています」と語っていたが、その言葉通り、2025年も、作品ごとに違った姿を披露してくれるのではないだろうか。