注目映画紹介:「幸せへのキセキ」 動物園付きの家を購入した父をマット・デイモンが好演

(c)2011 Twentieth Century Fox
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 マット・デイモンさん主演、キャメロン・クロウ監督が脚本・製作も手がけた「幸せへのキセキ」が8日に封切られた。妻に先立たれ、反抗期の息子と幼い娘の世話に追われる、デイモンさんふんする新聞コラムニストが、廃園寸前の動物園付きの家を購入したことをきっかけに、子供たちとの絆を築いていくまでを描いたヒューマン作だ。英国の新聞コラムニスト、ベンジャミン・ミーさんの自伝が基になっており、クロウ監督による脚本では、ミーさんの名前がそのまま使われている。

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 物語のよさもさることながら、デイモンさんの演技達者ぶりが際立つ。妻に先立たれ、慣れない子育てに頭を悩ませ、しかし愛にあふれ、いいところを見せようとつい頑張っちゃう父親。そんな人物を、デイモンさんは最近の感染パニック映画「コンテイジョン」(11年)での父親とはまた違う表情で演じ、作品にユーモアと滋味をもたらしている。なんでも、クロウ監督はデイモンさんにこの役をオファーする際、脚本とともに「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」のソフトを送ったという。デイモンさんはそれによって、今作がおかしさと悲しみを併せ持つ作品だと感じ取ったそうだ。

 一方、動物園のチーフ飼育員を演じるのは、近く公開の「アベンジャーズ」にも出演しているスカーレット・ヨハンソンさん。普段の色気のある役とは異なる、男勝りのサバサバした女性にふんし、好印象。そのほかに、エル・ファニングさん(「SUPER8/スーパーエイト」)、トーマス・ヘイデン・チャーチさん(「サイドウェイ」)らが出演。共同脚本は「プラダを着た悪魔」(06年)や「恋とニュースのつくり方」(10年)のアライン・ブロッシュ・マッケンナさん。なお、日本語吹き替え版では、「少年隊」の東山紀之さんがベンジャミン役で実写洋画の吹き替えに初挑戦している。8日からTOHOシネマズスカラ座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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