サッカー欧州選手権:奥寺康彦が準々決勝「チェコ対ポルトガル」を展望 「やはりC・ロナウド次第」

「EURO2012」を展望するサッカー解説者の奥寺康彦さん
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「EURO2012」を展望するサッカー解説者の奥寺康彦さん

 連日熱戦が繰り広げられている欧州サッカー王者を決める大会「サッカー欧州選手権(UEFA EURO2012TM)」。21日深夜(日本時間)から始まる決勝トーナメント準々決勝第1試合のチェコ対ポルトガル戦の放送を前に、WOWOWの番組で現地解説するサッカー解説者の奥寺康彦さんに見どころを聞いた。

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 鍵を握るのはポルトガルのクリスチアーノ・ロナウド選手と語る奥寺さんは、「グループリーグの序盤、決定機をありえない形で外したデンマーク戦までは完全に沈黙していて状態はよくなかったが、2ゴールを挙げたオランダ戦はキレていたね。あのコンディションであれば、なかなかストップするのは難しいだろう。メンタル的にもほしかったゴールを記録して力むことなくトーナメントに挑む。悪くない入り方ができると思う」と振り返る。

 ロナウド選手について「彼は素晴らしいプレーヤーで、オランダ戦のようにボールを運んでチャンスを作ってフィニッシュを成功させるといった具合に、すべてを自分で打開できる強さがある。ただ、代表ではチャンスメーカーとしての役割をもっと自分に課すべきだろう」と評した。

 「(スペインのサッカーリーグ)『リーガ・エスパニョーラ』で46点のスコアラーなんだから、フィニッシャーとしたほうがベターなのは分かっている。でもポルトガルは(ロナウド選手が所属する)『レアル・マドリード』とは違う。いい形でロナウドに預けてくれるメスト・エジル選手やサミ・ケディラ選手、シャビ・アロンソ選手、あるいは前回大会までいたデコ選手の後方支援がそこまでは望めない。チャンスメーカーとしてフィニッシュを他の選手に任せる。それをしているうちに彼への警戒が緩んで、その時に自分で決めにいく。それが理想の展開なんじゃないかな」と語った。

 一方、対戦国のチェコについて、奥寺さんは「ベスト8の勢力図を考えてみて、エポックメーキングを起こすとしたらチェコだろう。大敗(予選リーグ第1戦のロシア戦で1対4で敗戦)から始まったのに決勝トーナメントに参加できるのはすごいこと。チームがあらゆる点で締まっている印象を受ける。一度“死んで”から“生き返った”チームというのは、短期決戦では異常な力を発揮することがあるからね」と期待をかけ、「ポルトガル有利と予想する人も多いけど、実は五分五分あるいは6:4くらいでチェコに分があるんじゃないかと僕は思っている」と予想した。

 「とにかくチェコはロナウドに前を向いてボールを持たせないこと。そうするとDFを2~3枚、割かないといけないから、エルデル・ポスティガ選手、あるいはネルソン・オリベイラ選手、ナニ選手への対応が甘くなる。逆にいうとロナウド選手がチャンスメーカーに徹することができれば、ポルトガルが有利になってくるだろう。やはりロナウド選手次第だ」と展望を語った。

 「サッカー欧州選手権」は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催し、1960年から4年に1度、欧州各国の代表チームによって争われる大会。16カ国が4組に分かれてグループリーグを戦い、各グループ上位2カ国、合計8カ国が決勝トーナメントに進出する。今大会はポーランドとウクライナの共同開催で、8日に開幕した。WOWOWでは、7月1日の決勝まで全31試合をハイビジョンで生中継している。

 奥寺さんも注目する準々決勝第1試合「チェコ対ポルトガル」は、21日深夜3時半からWOWOWプライムで生中継。(毎日新聞デジタル)

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