テレビ質問状:ノンフィクションW「触れる 感じる 壊れる絵本」 駒形克己さんの絵本作りに密着

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 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。4月19日に放送される「触れる 感じる 壊れる絵本 ~造本作家・駒形克己の挑戦~」を担当したWOWOWの制作部の遠藤裕プロデューサーに番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 −−番組の概要と魅力とは?

 角度によって見え方が変わる絵本、ページごとに紙質が変わる絵本など、五感で感じて楽しめる独創的な絵本作りで世界から注目されている造本作家の駒形克己さん。その駒形さんが、手話言語を記録するプロジェクトを進めているフランスの美術学校からの依頼で、動物を表す手話による絵本の制作に挑戦する様子に密着します。試作品に触れた子どもたちの反応からの気付きや、手話そのものへの理解の深まりなど、真摯(しんし)な姿勢で試行錯誤する駒形さんの姿を描き出しています。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 最初に、駒形さんの本をいくつか番組の小川典ディレクターから見せてもらいました。そのとき、こういう独特な面白いものを作る方が、フランスの人たちから依頼されて初めて挑戦するという、しかも「手話の絵本」、それって一体どんなものになるのだろう、と強く興味を引かれたことが一番の理由です。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 絵本の制作過程での試行錯誤や、そこでの駒形さんの思いをポイントごとにとらえて撮影していくことは小川ディレクターが確実にやってくれていました。なのでそこは任せて、私からは手話が音声言語とは全く違う独立した言語であるということへの理解が必ずしも十分ではない日本で放送する番組なので、(我々自身の理解不足も反省しつつ)この番組を見た方が手話に対して間違った印象を持つことがないように気を付けることをディレクターにはお願いしました。

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 この番組はもともとは今年の初めぐらいの放送を見込んでいたのですが、予期せぬ出来事によって放送時期を変更しました。番組をご覧いただければその理由はお分かりいただけると思いますが、最終的に駒形さんの本が形になり、番組も放送できることになって本当にうれしく思っています。

 −−番組の見どころを教えてください。

 感覚を大事にする駒形さんの作品づくりはとても繊細で、そんな部分まで考えているのか!という驚きがあると思います。また、番組の中で、いろいろな方が試作品も含めて本を手にしているのですが、皆さんの反応が本当に人それぞれですので、そこにも注目してみてください。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 テレビ番組では駒形さんの本の見た目と音しかお伝えできないのが本当に残念ですが、代わり(?)に、番組では駒形さんの静かな情熱をはっきりと描き出せていると思います。本の実物はぜひ別の機会に手にとっていただくとして、まずはこの番組で駒形さんの本の世界に触れてみてください。

 WOWOW 制作部 プロデューサー 遠藤裕

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