テレビ質問状:ノンフィクションW「マン島TTレース 電動バイクで風になれ!」日本人夫婦が手作りで

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 WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。7月19日に放送される「マン島TTレース 電動バイクで風になれ! チーム『MIRAI』オートバイの『未来形』に挑む」を担当したWOWOWの制作部の内野敦史プロデューサーに番組の魅力を聞いた。

ウナギノボリ

 −−番組の概要と魅力は?

 「マン島TTレース」。聞いたことありますか? オートバイの好きな方なら英国とアイルランドに浮かぶ島、マン島で100年以上続く世界最古の公道レース、ということは知っているかもしれません。しかし5年前から「電動バイク」部門が加わり、しかもそこに日本人夫婦が手作りバイクを持ち込み、チャレンジを続けていることは知らないですよね? 僕も知らなかったです。“ヒトってここまで一つのことに夢中になれるし、世界だって目指せるんだ!”と考えさせられる密着ドキュメントです。

 −−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?

 私自身オートバイ好きですが、この企画を制作会社のディレクターからご提案いただいたとき、正直最初は「電動バイクってあの50ccサイズくらいでノロノロ走る、アレでしょ?」くらいな認識でしかなかったんです。ところが! そのディレクターは、やおらポータブルDVDプレーヤーを取り出して「内野さん、黙ってこの映像を見てみてください」と。見ましたよ、その映像。ビックリでした。何がすごいか、それは「音」なんです。オートバイといえばマフラーから出るあの勇ましい音がイメージですよね? ところが電動バイクはエンジン駆動ではないですからモーター音しかでない。「ブォォォーーン」ではなくて、基本的に静かで「キィィィィーーーン」という高周波系のなんとも不思議な音なんです。しかも速い! スペックでいうと400ccクラス。200キロ近くだすチームもありますよ。高速バイクが目の前を駆け抜けるのに、なぜか鳥のさえずりが聞こえる……。ディレクターから「この企画いかがですか?」とたずねられ、私は「今やるでしょ」と。

 −−制作中、一番に心掛けたことは?

 この世界に起きていることを“ありのまま”伝えることです。クルマの世界と比べるとオートバイ業界における電動化はまだまだなのが現状です。クリーンエネルギービジネスへの期待と、元来オートバイを愛する業界の人たちの飽くなき“スピードへの挑戦”が相まって、とてもホットなカテゴリーになっているんです。その思いが伝わればいいかなと。今回取材対象として協力してくださった岸本ヨシヒロさんがライダーの松下ヨシナリさんとコンビを組み、世界中の強豪相手に立ち向かおうとする、ありのままの姿を“瞬きせずに”見てもらえるよう、最大限意識して制作しました。

 −−番組の見どころを教えてください。

 ネタばれするのであまり多くはご説明できませんが、とにかく後半はスゴイことになっています。まるで“視聴者のアナタが”電動バイクのレーサーになったような感覚でグイグイ引き込まれていくこと必至です。今回ナレーションを担当してくださった満島真之介さん、完全にレーサーと化していました(笑い)。収録後、汗かいてましたから。それだけ入り込んでくださったということで、素晴らしい語りになっていますよ!

 −−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?

 既に報道されていますように、今回の電動バイク部門予選が始まる直前、別カテゴリーの予選走行中にライダーの松下さんが事故で亡くなられる(5月27日にマン島TTレースの予選レースの最中に事故死)という大変つらい出来事がありました。しかしながら誤解を恐れずに書きますと、オートバイの世界に魅せられた方たちが、生死について真摯(しんし)に向き合いながら夢を追っている姿、その事実を、番組をご覧になる皆さんにもせひ共有したいと思いますし、人生にとっての“大事な何か”を感じていただきたいと思います。

 −−視聴者へ一言お願いします。

 「風になりたい!」と電動バイクの世界に飛び込んで、「未来」に向かって夢を追う岸本さんから勇気と元気をもらいましょう!

 WOWOW 制作部 プロデューサー 内野敦史

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