ファンキー加藤:解散後、長期休暇を返上して曲作り「心が望んで始まったソロ活動」

ファンモン時代の話やソロデビューシングルについて語ったファンキー加藤さん
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ファンモン時代の話やソロデビューシングルについて語ったファンキー加藤さん

 2013年6月に解散した3人組グループ「FUNKY MONKEY BABYS(ファンキーモンキーベイビーズ)」でリーダーを務め、その後ソロ活動をスタートさせたファンキー加藤さんが、ソロデビューシングル「My VOICE」を12日にリリースした。9月には日本武道館(東京都千代田区)でワンマンライブを開催することも決定し、「音楽への絶えぬ情熱がある」と語る加藤さんに、グループ時のエピソードやソロ作品について、また、今後にかける意気込みなどを聞いた。

ウナギノボリ

 −−まず、FUNKY MONKEY BABYS時代のお話からお聞かせください。メンバーのDJケミカルさんから、本格的に実家のお寺を継ぐことを告げられたとき、そして最終的に解散を決意したときの心境は?

 DJケミカルが実家の家業を継ぎ、お坊さんになるのはグループ結成当初から分かっていたことなので、来るべきときが来たという気持ちでした。(解散に至ったのは)DJケミカルのいないFUNKY MONKEY BABYSは、FUNKY MONKEY BABYSではない、という結論に達したからです。

 −−約10年間のグループの活動の中で特に印象的だった出来事は?

 初めて「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に出演できた日(07年2月2日)の翌日のライブで、入場規制が掛かったとき、人生で初の追い風を感じることができました。その日の光景は今も脳裏に焼き付いてます。

 −−グループの解散ライブとなった13年6月の東京ドーム公演を振り返っていかがですか? ライブを終えてからは不安な気持ちを抱えていたとのことですが……。

 あまり湿っぽくならず、今まで通りの自分たちのスタイルでライブをしようという気持ちが強かったです。もちろん寂しさもありましたが、それ以上に皆さんへの感謝の思いがあり、それが瞳からあふれて……。東京ドームの後は燃えつきて真っ白になりました。生きる目標を失ってしまうことへの不安もあり、そこに早く色を塗りたくて、長期休暇を返上し、スタジオにこもって楽曲制作をしたんです。そのときに“俺はきっと音楽から離れられないんだろうなあ”と実感しました。頭で考えるのではなく、心が望んで始まったソロ活動です。

 −−なるほど。では今回のソロデビューシングル「My VOICE」についてお聞きしたのですが、どんな思いが込められた楽曲なのでしょうか。

 俺にとっては(ソロとして)一番最初の歌だから、一番伝えたい人に、一番伝えたいメッセージを……とファンの皆さんに手紙を書いたんです、便せんに。その手紙が歌詞の原形となりました。ただただ僕からファンの皆さんへの、「僕はここにいるよ」「君のことを思ってるよ」という曲です。

 −−「出会いと別れが多すぎて……」「追いかければつまづいて~優しさの意味を知った」といったフレーズがありますが、この部分の歌詞にまつわる実体験のエピソードはありますか。

 地元・八王子(東京都八王子市)にあった小さなクラブでの出会い。東京ドームという大きなステージでの別れ。一番印象に残るのは、やっぱり(グループのメンバーだった)モン吉とケミカル(との出会いと別れ)になりますね。あと、例えば僕が大きなミスを犯してしまったときでも、ファンの皆さんやスタッフさんは変わらず支え続けてくれました。そんな経験から「追いかければつまづいて~」のフレーズが生まれました。

 −−ではカップリングの2曲、「もしもあの日に戻れたら…」というフレーズが印象的な「リスタート」と、ラブバラード「桜 ふわり ふわり」については?

 「リスタート」の表向きのテーマは“恋愛の復縁”ですが、やっぱりこれも僕の“今”の思いが込められている1曲です。とても女々しい歌詞なので、若干の気恥ずかしさもあります(笑い)。「My VOICE」が表の感情で、「リスタート」は裏の感情。表裏一体なファンキー加藤の歌です。あと、「桜 ふわり ふわり」は詞を先に書いたんです。僕にとっては初めての試みでした。実体験を元に、というよりはドラマの脚本を書くような感じでストーリーや風景を思い描きました。非常に楽しく作れた楽曲です。

 −−お一人で楽曲制作をしていて特に感じることはありますか。

 今までメロディーを作ってくれてたモン吉がいなくなったことで苦労が多くなりましたけど、そこから“詞先”で曲を作るアイデアが生まれました。“ピンチはチャンス”という言葉を信じてこれからも頑張っていくだけだし、どれも等身大のファンキー加藤の歌なので、気に入ってもらえたらうれしいです。

 −−ちなみにモン吉さん、DJケミカルさんとは最近、連絡をとっていますか?

 ケミカルとは実家も近いので、たまに遊びに行きます。モン吉は「リスタート」が完成した翌日にたまたま会ったので、(曲を)聴いてもらいました。「キャッチーでいい曲じゃん!」と言ってもらえて、それがすごく励みになりました。

 −−現在(CDショップなどでの)インストアライブツアーを開催中ですが、今までで印象深かったことや、グループのときと比べて違いを感じることは?

 ライブ後の握手会で、赤子を連れたとある夫婦が「ファンモンを通じて出会いました」「結婚して子供が生まれました」「その子に“俊介”(加藤さんの本名)と名付けました」「どうか抱いてやってください」と……。もうたまらなくうれしかったですね。そしてこの音楽で生まれた“つながり”を、いつまでも絶やしたくないと心から思いました。(ソロ活動では)フットワークは軽くなりましたけど、ただライブにおいては大変なことが多いです。体力的にも精神的にも。だけれども、3倍の苦労を乗り越えれば、3倍の喜びがあると信じて、今は頑張っています。

 −−また、これからはお芝居にも挑戦していくとお聞きしていますが、以前から俳優業に興味をお持ちだったんでしょうか。

 昔から役を演じるのは好きでした。小学生の頃の学芸会でも常に主役を狙っていましたし(笑い)、(子役養成の)「劇団ひまわり」のオーディションを受けたこともあります。

 −−では最後に、今後の抱負やメッセージなどを聞かせてください!

 これからも皆さんの人生にプラスの力を生むような音楽を鳴らそうと思っています。どうぞファンキー加藤の歌声に耳を傾けてください!

 <プロフィル>

 1978年12月18日生まれ、東京都八王子市出身。2004年にモン吉さんとDJケミカルさんとともに「FUNKY MONKEY BABYS(ファンキーモンキーベイビーズ)」を結成し、06年にシングル「そのまんま東へ」でデビュー。13年6月、東京ドーム(東京都文京区)での2日間公演をもってグループを解散。その後はソロとして活動し、13年11月~14年2月に「ファンキー加藤 インストアライブツアー~原点回帰~」を実施。9月19、20日に日本武道館(東京都千代田区)でライブを開催予定。

 (インタビュー・文:水白京)

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