テレビのバラエティー番組などでも活躍する慶應義塾大学大学院教授の岸博幸さんが31日、WOWOWで生中継された米プロバスケットボール「NBA」の「ゴールデンステート・ウォリアーズ対ダラス・マーベリックス」の生中継にスタジオゲストとして出演。この日は惜しくもマーベリックスに敗れたものの、NBA新記録となる開幕24連勝を達成し、ウェスタン・カンファレンス首位を走るウォリアーズを「進化系」と表現する岸さんに話を聞いた。
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経済学の専門家である岸さんは「ビジネスの世界で企業が成長するのに必要なのがイノベーション(技術革新)といわれていて、世界の企業の中で最もイノベーションを起こしているのがアメリカ。そのアメリカのNBAというスポーツ、エンターテインメントの世界で、イノベーションを起そうとしているのがウォリアーズです」と絶賛する。
岸さんはウォリアーズの強さの要因に「チームとしてのディフェンス力」を挙げ、「このディフェンス力は運動量と比例するんですけれど、チームとしてディフェンスをしっかりやっているなという印象を持っていますし、とにかく穴がない」と力説。「ステフィン・カリー選手が注目されがちですが、ドレイモンド・グリーン選手のようなフォワードなのにアシストもできて、ガードも全ポジションできて、スリーポイントもちゃんと決められる選手がいて、層の厚さを感じますし、ある意味、連勝記録も当然のことだったのかしれません」と語った。
岸さんによると、ウォリアーズの強さに、過去の名選手から嫉妬する声も出ているといい、「黄金期のシカゴ・ブルズと今のウォリアーズを比べる人もいて、面白いですね」とコメント。ブルズが1995-96シーズンに達成した最多勝利記録の72勝も「今の感じだと届きそう」といい、「リードされていても、どこかでドカンと逆転し、一気に突き放す爆発力を持っているので、この強さはなかなか揺るがないと思います」と期待していた。
また岸さんは、ウォリアーズの対抗馬となるチームに「サンアントニオ・スパーズ」の名を挙げると「ウォリアーズが進化系ならスパーズは今までの伝統の延長というか、この2チームは“進化系と伝統的な形の戦い”となるのかもしれません。去年はウォリアーズが勝ちましたが、1回だけならフロックかもしれないし、これが2年連続となると進化形の方が今の時代にはいいんだなってなる。ビジネスの世界では、経済が発展するのは創造的破壊が必要で、ウォリアーズによって創造的破壊が行われるのかにも注目です」と力を込めた。
WOWOWではNBAを毎週5試合生中継。2016年1月2日まで「冬祭り!スーパーウィーク」と題し、さまざまな試合を伝える。またWOWOWライブで1月1日午後0時半からNBAの元スタープレーヤー、マイケル・ジョーダンさん公認のオリジナルドキュメンタリー「マイケル・ジョーダンの軌跡 神が残したモノ」も放送する。
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