話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。 小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれたライトノベルが原作の「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」です。大沼心(しん)監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
ゆったりまったりとした異世界漫遊記です。デスマーチから始まった主人公サトゥーの心の機微、人々との出会い。それを、大規模MMO(大規模多人数型オンラインゲーム)風味の味付けをしながら描いています。可愛いキャラクターに囲まれながらも、大人としての対応を決して忘れない鈴木一郎としての視点を織り交ぜながらパーティー内の交流をコメディータッチでライトに、異世界での食リポも忘れずに、さまざまなイベントをこなしていきます。
原作の雰囲気をいかに再現するか。キャラをどれだけ魅力的に描けるかです。特にUI(ユーザーインターフェース)周りの表現は、できうる限りビジュアル的に再現しています。UIは、アニメーションとして非常に大変なことをしているので、ぜひ見ていただけるとうれしいです。キャラクターも含まれるファンタジー世界を、色味などを絡めて、どう表現できるか?という部分に尽力しています。
昔からファンタジー物を描いてみたかったので、個人的に非常に興奮しながら現場に入ったのを覚えています。ですが、一つの世界をほぼほぼゼロから構築しなければならないというのが、これほどまでに大変なのかと痛感する日々です。設定分量だけでいうのであれば、SF、ロボットものに肩を並べられるほど膨大な分量になってくるので、どう取捨選択をするのかに頭を絞り切れるぐらいひねりました。ただ、設定のみでなく、それがどうやってキャラクターに集約していくかを、映像的に束ねるのが大変でした。
いったんの山場は終えて、サトゥーたちののんびり旅のスタートです。各キャラクターたちの個性的な側面もよく見え始めて、ますますにぎやかになっていく感じです。そんな中で新キャラクターも登場して、さまざまな事象に巻き込まれていきます。アクションというよりは心理戦、頭とスキルを使ったサトゥーの活躍、そしてパーティーの面々のサポートもあり、まだまだサトゥーの前には、新しい世界が広がっていきます。
壮大なことはまだ起こりませんが日々を暮らしていく上で大切なこと、幸せなこと、そしてサトゥーが感じること、それらを丹念にみっちりと描いていければと思っています。派手さはないかもしれませんが、そこには確かにあるドラマを、原作を外すことなく濃密に描いていければなと。応援のほどよろしくお願いいたします。
SILVER LINK. 監督 大沼心
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