1995年に公開された岩井俊二監督の映画「Love Letter」に出演した中山美穂さんと豊川悦司さんが、岩井監督最新作「Last Letter(ラストレター)」(2020年1月17日公開)に出演することが10月30日、分かった。2人が岩井監督の映画に出演するのは「Love Letter」以来約24年ぶりで、映画共演も約24年ぶり。「Love Letter」公開から約四半世紀、“夢の競演”が実現した。
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「Love Letter」は、第8回日刊スポーツ映画大賞新人賞(岩井監督)、第19回日本アカデミー賞優秀作品賞・話題賞、第38回ブルーリボン賞主演女優賞など各映画賞を総なめにしたほか、カナダのモントリオール世界映画祭で観客賞を受賞。韓国では公開当時、日本映画として初めて観客動員140万人を突破し、「お元気ですか?」の名ぜりふもブームになった。
中山さんは「Love Letter」以降、岩井さんがプロデュースした「新しい靴を買わなくちゃ」(2012年、北川悦吏子監督)に出演。豊川さんはこれまで映画「undo」(94年)、ドラマ「ルナティック・ラヴ」(同年)と、多くの岩井監督の作品に出演している。2人は「Love Letter」後、連続ドラマ「Love Story」(TBS系、2001年)で共演しているが、映画共演は約24年ぶり。今回、岩井監督からオファーを受け、2人とも二つ返事で快諾したという。
中山さんは、「いつかまた豊川さんとの共演はもちろんのこと、岩井監督作品に出演できたらいいなと思っていたので、今回声をかけていただき、とてもうれしかったです」と喜び、豊川さんは「『Love Letter』に通じるものがある今回の『ラストレター』で、岩井監督から声をかけていただけたことは、とてもうれしいですし、そして何より中山さんとまたこうして2人で出演できてとてもうれしいです」とコメントしている。
映画は宮城を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まった二つの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描く。裕里(松たか子さん)は姉の未咲の葬儀で、未咲の娘の鮎美(広瀬すずさん)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるため同窓会に行くと、姉と勘違いされてしまう裕里。そして初恋の相手・鏡史郎(福山雅治さん)と再会し、勘違いから不思議な文通が始まる……という展開。
回想シーンの鏡史郎を神木隆之介さん、未咲を広瀬さん(2役)、裕里を森七菜さんがそれぞれ演じる。また、歌手の水越けいこさん、小室等さん、アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズなどで知られる庵野秀明監督も出演する。
豊川さんは、裕里の姉・未咲の元恋人・阿藤を演じ、その阿藤の同居人・サカエを中山さんが演じる。未咲の過去に絡む、重要な役となるという。
いつかまた豊川さんとの共演はもちろんのこと、岩井監督作品に出演できたらいいなと思っていたので、今回声をかけていただき、とてもうれしかったです。
岩井監督は、普段とてもほんわかした感じの方ですが、現場に入るとスイッチが入り、少年のように真っすぐで、独特の世界観があり、現場にいると異次元にいるような感覚になります。ですので、撮影現場はとても楽しいです。岩井監督とは、特に事前に役柄について話をしたりすることはないのですが、現場でのやりとりの中で役を作り上げていく感じです。
豊川さんとは、今回共演シーンは少ないのですが、それでも今までの2人の歴史があるので、短い共演シーンの中でも積み重ねてきた何かがスクリーンには映っているのではないかと思います。
「Love Letter」に通じるものがある今回の「ラストレター」で、岩井監督から声をかけていただけたことは、とてもうれしいですし、そして何より中山さんとまたこうして2人で出演できてとてもうれしいです。
今回、出演シーンは少ないですが、とても重要な役をいただいたので、どっぷり岩井監督の頭の中につかるつもりで芝居しました。とても充実感のある現場でした。
中山さんは、冷凍保存されてきたみたいで(笑い)、全然変わっていないです。もう少しご一緒にお芝居をしたかったです。それは、また次回に。20年後といわず来年くらいにでもご一緒したいですね。
中山美穂さん、豊川悦司さん、3人が同じ現場というのは「ラブレター」以来でした。撮影は夏の盛りの仙台でしたが、なにかそこが冬の小樽で外は雪が降っているような気分になりました。「ラストレター」と「ラブレター」が地続きの同じ世界の物語に一瞬思えました。
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