三宅乱丈さんのマンガが原作のテレビアニメ「pet」のスタッフに制作の裏側を聞く連載企画「メインクリエーターズインタビュー」。第1回はアニメを企画したツインエンジンの山本幸治プロデューサーに、今アニメ化に踏み切った理由を聞いた。
ウナギノボリ
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「pet」は、「ぶっせん」「イムリ」などの三宅さんのマンガ。他者の脳内に潜り込み、記憶を操作する能力者たちの愛憎を描いた。アニメは、「夏目友人帳」などの大森貴弘さんが監督を務め、「虐殺器官」などのジェノスタジオが制作する。
「pet」の連載が始まったのは約16年前の2003年。山本プロデューサーは、2010年に放送されたテレビアニメ「海月姫」を制作中、大森監督から薦められ、原作に出会った。ただ、当時はアニメ化に踏み切らなかった。
「当時はソフトが売れるか売れないかが、重要なアニメの成立要件だった。これは売れないよね……という話になった。今は配信の時代になり、配信で通用するはず、今こそやるべき!となり、大森さんに話をしました」
山本プロデューサーは「pet」を「“和製インセプション”のような要素がある」とも話す。配信の時代に、アニメファンに加え、洋画、海外ドラマのファンにアプローチしようとしているようだ。
原作は約16年前の作品ではあるが、古さを感じさせない。むしろ、新鮮にも見える魅力にあふれている。心象風景など独特の表現も魅力だ。アニメでどのように表現されるかが注目される。
「16年前ですが、古さはないですね。さまざまなドラマ、キャラクターの依存関係の深さ、設定の面白さを高次元に実現している。奥行きがあります。感覚的で、アニメならではの表現もできる。いかに心理描写を映像にできるかが大切。伝えるのが難しいですが、大森さんはすごく映画的。大森さんのコンテも最高で、三宅さんからも『最高!』というコメントをいただきました」
アニメを制作するジェノスタジオは、山本プロデューサーが代表を務めるツインエンジングループでもある。山本プロデューサーは「スタジオとしてもチャレンジ」と語る。
「今までのアニメの文脈とは違うこともやっていきたい。大森さんは要求値が高い。スタジオ、ツインエンジンとしてもチャレンジになる。アニメ化した時の“伸び”に期待しています。見た人が驚くような作品になれば」
アニメ「pet」は“伸び”によって、アニメだからこそ実現する表現を見せてくれるはずだ。
インタビュー動画が「pet」の公式サイト、ツイッターでも公開されている。
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