特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの映画最新作「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」が12月21日に公開された。令和初の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」の誕生の秘密が明らかにされるほか、最後の平成仮面ライダー「仮面ライダージオウ」が選ぶ、本当の終幕が描かれている。2019年8月に最終回を迎えた「ジオウ」に続き明光院ゲイツを演じた押田岳さんと、放送中の「ゼロワン」で不破諫を演じている岡田龍太郎さんに、それぞれの役柄の印象や“2号ライダー”としての思い、共通項などを聞いた。
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早稲田大学の先輩・後輩で「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の同期と共通点の多い2人。共演した印象を聞くと、年齢は若いが“先輩仮面ライダー”である押田さんは、「ジオウ組としては、先輩だからどうこう……ということではない」と前置きし、「自分たちの『ジオウ』という作品を『ゼロワン』と一緒にやって新しい化学反応が起こればいいなという気持ちだった。(岡田さんたちに)どう見えているのかは分からないですけど、楽しくやらせていただきました」と撮影を振り返りつつ、後輩たちへの思いを語る。
一方、岡田さんは、「武闘派の先輩ですから(笑い)」と言い、「(ゲイツも不破も)立ち位置としては同じ。ファンからの愛称で“脳筋”キャラって言われて、そういう2号のポジションでやっているわけですから、やっぱり参考にしつつ……。あと(仮面ライダーバルカンは)パワーアップして反動で吐血するという境遇も同じ」と共通点に言及する。
すると押田さんが、「あれいいね。カッコいい。(ゲイツは)そんなに流血しなかったので、あそこまで振り切ってやってみたかったなというのはあります」とうらやましがる。
押田さんと岡田さんが演じる“2号仮面ライダー”は、主役に対して“仲間”でもあり“ライバル”でもあるという存在。押田さんは、「主人公と敵対しているけど、一番分かっている人じゃないといけない。それは、ずっと思って1年間やってきた」とスタンスを明かし、「表面には出さない絆をうまく描かなきゃいけないキャラ」と話す。
押田さんの話をうなずきなら聞いていた岡田さんは、「キャラクター的にはなれ合いたくはないですね。或人と仲よくなるにしても、最後まで不破諫としていてほしい」と役に対する思いを明かし、「(不破のキャラクターが)崩壊しきってはほしくない。笑うまいとしているけど笑っちゃうみたいなところが面白いので。崩しすぎたくはないけれど、作品が面白くなれば、という思いでやっています」と語る。
そんな2人に“2号ライダーあるある”を聞くと、「作品的に、いじられますよね」という押田さんに、岡田さんも、「いじられポジションではあるかもしれない。突っ込みどころはある」と同意。そして押田さんは、「すきがあるというか、人間らしさというか、それは2号ライダーの“特権”かな」とまとめていた。
お互いのキャラクターや変身ポーズの印象については、押田さんは「全部ジェラシー。スーツも好きだし、戦闘服も好きだし。変身のエフェクトもずるい(笑い)。弾丸パンチからの……アイアンマン的な感じは憧れます」と答え、岡田さんは「憧れって(笑い)。自分も仮面ライダーやっていたでしょう」と思わず突っ込みを入れる。
さらに押田さんは、「『ゼロワン』全員だけど、ちゃんと現代の武器を持っていて、ガンアクションとかもカッコいい」と続けると、「(武器に)“ジュウ”とか書いてないからね。今回ゼロワンが斧(おの)を出したんですけど、描いてあるのがバッタ……」と「ゼロワン」ならではのデザイン面を“イジる”と、「そういうコンセプトでやっております」と岡田さんは笑顔で切り返した。
岡田さんは、「ゲイツリバイブのフォームチェンジはカッコいいし、戦い方も疾風でかわして剛烈でガンッていく流れもカッコいい」と絶賛。続けて、「未来な感じがしますよね。僕たちはちょっとリアルな感じでやっていて、『ジオウ』はフィクション性がより高いというか。日常ではできない役柄なのはうらやましい」と話す。
押田さんは「決めぜりふはうらやましい」といい、「僕はなかったので。(プロデューサーの)白倉(伸一郎)さんが人間っぽくしたいから作らないと言っていて……」と羨望のまなざしを岡田さんに向ける。
聞いていた岡田さんは、「『俺がルールだ』とか『俺がやると言ったらやる』とか、あと“こじ開け”とか、持ちネタは多いですね(笑い)。ゲイツは“ヒロイン”って言われていたよね」と水を向けると、「すごく言われていた(笑い)。せりふが、ヒロインぽいからかな」と押田さんは分析。「まあないものねだりということですね」と押田さんが言うと、岡田さんも「隣の芝生は青いということ」とうなずいていた。
「仮面ライダーゼロワン」に出演した反響を改めて聞くと、岡田さんは「一番感じるのはツイッター。不破がトレンド入りとか反響をすごく感じる。あと友だちからLINEで『見たよ』とか送ってきたりする」と驚いたことを明かす。
不破を演じる上では、「細かいところまでこだわっていますけど、一番はキャラクターとして打ち出さなきゃいけないところを外さないように」と岡田さんは切り出し、「ボルテージを上げなきゃいけないところはちゃんと上げて暴走し切る。たとえば『俺のすべてだ!』が弱かったらだめ。外せないところは外さないように調整しています」と役作りへのスタンスを語る。
岡田さんのアクションのカッコよさが評判だが、「映画では、特殊な撃ち方で銃を扱ったり、メンテナンスのシーンなども相談しつつやっているので、リアルな雰囲気を出せていると思います。自分でもモデルガンを買って、銃の扱いに慣れるようにしています」と見えない部分のこだわりを明かす。
一方、今作で仮面ライダー“卒業”を迎える押田さんは、最終回以降の心境を「逆にあまり振り返らないようにしているところもある」と話し、常磐ソウゴ役の奥野壮さんについて、「(飛電或人役の高橋)文哉君と並んで会話するシーンを見ていると、僕が言うのもあれですけど成長したなと」と感慨深げに語る。
俳優としての今後の目標は、「お茶の間でご飯を食べながら見るような作品に出られる俳優になりたい。具体的にいうと、朝ドラとかですかね」といい、「例えば仕事でうまくいかなかったときとかに、人に希望を与えられるような芝居ができる人になりたい。“共感”で芝居がうまいといわれるようになりたい」と思いをはせる。
具体的にイメージしている俳優は「ライダーの先輩でいうと竹内涼真さん。日曜劇場が好きで追いかけているんですけど、すごく好きで憧れます」と目を輝かせた。
映画の見どころを聞くと、「アクション」と押田さんは前置きし、「僕らが『ビルド』チームとやったとき、壁が高いというのをすごく感じて。試写を見てそのままご飯を食べに行き、2人でずっと『ビルドをどうやって超えるか?』みたいな会議をしたのを覚えています」と回顧する。続けて、「ビルドとジオウだったときとジオウとゼロワンになったときの先輩・後輩ライダーの違いを出せていたらと思う」と話す。
そして、「ビルドはビルド、ジオウはジオウ、ゼロワンはゼロワンでそれぞれの良さがあると思うので、僕らなりの仮面ライダーというものを提示できているのではと思います。そこを見てほしい」と呼びかける。
一方、岡田さんは、「カメラワークとアクションは本当に面白い。或人と其雄の関係なので、時間軸は違いますけど、其雄がどういう考えを持っていた人なのか、其雄と或人がどういうふうに関係が進展するのかというところを見てほしい」とポイントを語った。
「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」は現在公開中。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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