人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)のトークイベントが7月21日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、メカニカルスーパーバイザーの玄馬宣彦さん、設定制作を担当したサンライズの秋山李助さんが登場。バンダイスピリッツの齊田直希さんもリモート出演し、ガンプラについて語った。
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「閃光のハサウェイ」は、「シナリオ&デザイン重視」を重視し、打ち合わせ段階からバンダイスピリッツが参加していたという。玄馬さんは「バンダイスピリッツさんは、作品の中でどういうふうにメカが活躍するか、デザイナーさんがどこを大事にしているかを理解してから、プラモデル化するというのが目的ですよね」と話し、齊田さんは「映画と鮮度のある情報を持って帰り、よりよいものを作ろうという意図ですね。また、今後のラインアップを決めるのにも参考にさせていただいています」と語った。
メッサーのスカートが話題になると、玄馬さんは「小説か何かのテキストに『スカートは動きます』という文言があったんです。スカートの動く意義、意味合いを監督や(メカニカルデザインの)カトキハジメさんと詰めながら制作しました。メッサーはゲリラ戦主体のメカなので、ジャンプして降下する際に、ベクタード・テール・スタビライザーを駆使しています。このギミックによりエネルギーロスを減らしながら、効率よく降下と着地をして、またジャンプを繰り返す」とコメント。
「ただ、元デザインは、脚の横にスカートが回り込んで邪魔しているため、太ももが動く時の邪魔になるのでは?と監督がかなり気にされていました。なので、サザビーのプラモデルをベースに、僕が実際にスカートを立体物で作ってみて『これだけ動いても太ももに干渉しませんよ』と再現したんです。それで監督に納得していただきました。それなのに、プラモデルの方はここまで動かないんですよ(笑い)。齊田さん、反省文を出してください(笑い)」と明かした。
齊田さんは「すみません(笑い)。でも、実際にクリエーターさんが立体物を作って再現したのを見たのは初めてではないかと思います。(サンライズの)第1スタジオの皆さんは、プラモデル現場より、プラモデル現場だなと思いました」と語った。
齊田さんはガンプラ制作について「光造形を出力して、カトキさんはご自身でパテを盛って、ニュアンスを伝えてくれるんです。だいたい今はイラストや文字でチェックバックをいただくことが多いのですが、カトキさんとはパテのやりとりを2、3回します」とコメント。
玄馬さんは「メッサーの頭は頭頂部に膨らみがあり、その前にも膨らみがあるんです。前の膨らみのところに意識を向けなきゃいけないとカトキさんはこだわっていました。その話はメカニカルデザインの中谷誠一さんにも共有しましたね。意識の持ち方を勉強させていただきました」と話すと、齊田さんは「そうですね、やりとりの中で一番頭頂部、胸回り、すね周りの曲面部分に時間をかけましたね。かなり時間はかかったのですが、カトキさんから『ここまでやったら問題ないです』というお言葉いただくことができました」と明かした。
「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野由悠季監督が発表した小説が原作。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。アニメは「虐殺器官」の村瀬さんが監督を務める。全3部作。
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