電撃文庫(KADOKAWA)のライトノベルが原作のテレビアニメ「豚のレバーは加熱しろ」が10月7日からTOKYO MXほかでスタートする。転生したら豚だった!? さえないオタクの“俺”が豚のレバーを生で食べて意識を失ったら、豚として異世界に転生し、心を読める優しい少女ジェスと共に、冒険することになる……というストーリーで、松岡禎丞さんが豚、楠木ともりさんがジェスをそれぞれ演じる。とにかくタイトルのインパクトが強く、これまで数々の作品で快演を繰り広げてきた松岡さんが、どのように豚を演じるのか?が気になるところだ。松岡さん、楠木さんに、収録の裏側について聞いた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
楠木さん 最初は、どんな作品なのか全く見当が付かきませんでした。本当に豚が出てきて、名前も豚なんですよ。可愛い女の子も出てくるので、のほほんとした雰囲気の作品なんだろうなって素直に思いました。
松岡さん 最初は、ちまたで言われる「ブタ野郎が!」みたいな豚なのかな?と思いました。「転生したら豚だった」というワードが強すぎて、本当に豚なんだ!?となって。アニメ化の前に、原作のPVでも豚を演じさせていただき、これがアニメ化したら大変だろうな……と思っていたのですが、まさか続投だとは?とびっくりしました。
松岡さん ないです。しゃべる動物を演じさせていただいたことはありますが、豚は初めてです。これまで演じた動物は、感情が表情に出ていましたが、今回の豚は表情変化が読みとれないんです。表情変化が分からないので、声で表情を作っていくしかないんです。分かりやすいのは、怒った時、悲しい時で、豚も目がつり上がったり、三角になったりするんですけど、基本的に目が丸いんです。
楠木さん 口も動かないですよね。
松岡さん そうなんです! 家で事前に台本を読んでいても、どういう感情なのだろう?となることが多くて、そこは大変でしたね。楠木さんとの掛け合いで補完できたのでよかったです。PVの時、好き放題やっていたんですけど、そのキャラは壊したくなかったですし。
楠木さん 私もアニメ化決定前のPVでジェスを演じさせていただいたのですが、松岡さんがどんな演技をされるのかな?と想像していて、実際は想像の5倍くらいすごかったんです。もっと見たい!と思っていました。松岡さんの演技のファンとしても、またご一緒できたらと思っていたので、アニメでもご一緒させていただき、うれしいです。ジェスもPVで好き放題やっていて……。
松岡さん PVでは「もっとSっ気を出す」というディレクションもあったんですよね。
楠木さん 「眼鏡ヒョロガリクソ童貞さん」というせりふを「ナチュラルにSっ気で」というディレクションをいただき、Sっ気を出していたのですが、アニメはそこまでではないですよね。
松岡さん そうですよね。ジェスは、けなげではかなく、風が吹いたら飛んでいってしまいそうですから。楠木さんはドンピシャですよ。
楠木さん PVの時は、ふわっとしているけど、Sっ気があり、最後はちょっと不穏なせりふで終わっていました。ジェスの秘密が大事な要素でもあって、豚さんの内面はわかるけれど、ジェスの内面は描かれていません。モノローグもないんです。ジェスが一体何を考えて行動しているのか?というところが大切でして、演技でもそこをどれくらい出すのか……というところが難しかったです。意味深にしすぎても違うような気もしますし、あれ?と思われないようにしたいところもありました。物語の流れから、意味深なものを込めるところもあり、そこの案配をどうするのか?と考えていました。私の基本的なスタンスとしては、感情があんまり動かない、優しいけど、何を考えているのかが実はよく分からないような演技にしたいと思っていました。
松岡さん そうなんです! 台本をいただいて、せりふの量が!?となりました。この量は2年に1回あるかないかくらいです。
楠木さん 松岡さんはやっぱりすごいです!
松岡さん 豚がしゃべっても、ジェスはことごとく無視することもあります。
楠木さん 二人だけの会話で、二人の世界観が作られています。
松岡さん 信頼し合っているのが伝わります。楠木さんは僕が何をやっても付いてきてくれますし。
楠木さん ジェスだから乗りすぎてはいけないので、私は乗りそうになったら我慢しています。豚さんの「ンゴッ!」という声にもバリエーションがあって、すごいんです。
松岡さん マジの「ンゴッ!」と人間っぽい「ンゴッ!」があったりしますしね。豚の鳴き声? どうしよう!?となりました。
楠木さん テストで、笑っちゃいそうになるのですが、頑張ってこらえています。序盤はギャグシーンも多く、松岡さんの演技がいつも楽しみです。
松岡さん この作品ならではのことが多いですし。ほかの作品にも近しいキャラクターがいて、お芝居が大変なのですが、そのキャラクターは収録現場でみんなで作っているような気持ちがあって、受けとめてくれる人がいるからできています。エサがほしくてたまらなくて、エサを投げてくれる人がいるんです。今回の豚も、楠木さんがエサを投げてくれます。しかも骨付き肉です。ジェスというキャラクター性もあって、10回に1回くらいは投げてくれないんですけど。
楠木さん 「ソードアート・オンライン」の外伝「ガンゲイル・オンライン」に出演させていただくことになった時、松岡さんの演技を何度も聞いて勉強していた時期がありました。今も現場で聞きながらすごく勉強させていただいています。ずっと憧れの先輩です。だから、今回共演できてすごくうれしいです。それから、私としては、松岡さんはイケメンキャラの印象が強くて……。
松岡さん 変態も多いですけど(笑い)。
楠木さん インパクトのあるキャラも演じられていますよね。豚はまた新しいところがあって、それを近くで見せていただけることがうれしいです。
松岡さん 何かインパクトを残したいという気持ちもあって、無理やり入れるとスベるんですよね。ここだ!という時に入れるようにしています。
松岡さん びっくりされる方が多いはずです。話が進むと、ウソだろ!?となることもあります。ギャップも楽しんでいただきたいですね。
楠木さん いい意味でタイトル詐欺なところもあります(笑い)。ジェスと豚さんから切なさ、温かい空気感がどんどん生まれていくのを見ていただきたいです。ジェスには秘密があるので、そこも気にしながら見ていただけるとうれしいです。
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