早見沙織:アニメ「SPY×FAMILY」シーズン2 気合入れて挑む「豪華客船編」 フォージャー家の「絆の成長」

「SPY×FAMILY」のシーズン2の一場面(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
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「SPY×FAMILY」のシーズン2の一場面(C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」のシーズン2が、テレビ東京系ほかで10月7日から毎週土曜午後11時に放送される。2022年の春クール、秋クールに放送され、大ヒットしたシーズン1から約10カ月、再び“仮初めの家族”フォージャー家の物語が始まる。シーズン2は、フォージャー家の殺し屋の母、ヨルが活躍する原作でも人気のエピソード「豪華客船編」が描かれることも話題になっている。ヨル役の早見沙織さんに収録の裏側、シーズン2への意気込みを聞いた。

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 ◇濃密だったシーズン1 「豪華客船編」に「かなり緊張」

 「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠してフォージャー家として生活することになる。コミックスのシリーズ累計発行部数は3100万部以上。アニメは、江口拓也さんがスパイの父・ロイド、種崎敦美さんが超能力者の娘・アーニャを演じ、ナレーションを担当する松田健一郎さんがシーズン1の中盤からフォージャー家に加わった“未来予知犬”のボンドを演じる。

 「SPY×FAMILY」は、連載開始当初から「少年ジャンプ+」の看板作品の一つとして人気を集めていたが、アニメ化によってさらに人気が加速し、「Yahoo!検索大賞2022」の作品カテゴリー・アニメ部門で「SPY×FAMILY」が1位に輝くなど話題になった。今年3月からはミュージカル版が帝国劇場(東京都千代田区)で上演。劇場版アニメ「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」が12月22日に公開される。

 早見さんはシーズン1を「とても濃密でした」と振り返る。

 「私自身も、一話一話をとても楽しみながら収録していましたし、完成した映像も何度も楽しく拝見しました。プライベートでも、お仕事の別の現場でも、いろいろな方に『SPY×FAMILY、見てます』という声をいただいて、本当に作品がとても愛されていることを感じます」

 シーズン2では、ヨルの“お仕事”である殺し屋の一面がクローズアップされる「豪華客船編」が描かれる。早見さんは、シーズン2の収録に「より一層気合を入れて臨まねば」と強い思いを持って挑んだ。

 「原作を読んでいらっしゃる方には、次に何のお話が来るのかが分かっていらっしゃると思いますし、予告でも豪華客船がちらっと登場しました。『豪華客船編』はヨルさんが一生懸命頑張るお話になっています。そこが第2のシーズンで描かれるというのは、自分にとってもかなり緊張感がありました」

 「豪華客船編」は、原作の中でも長編で、豪華客船を舞台にヨルが命を狙われるマフィアを護衛することになる。ヨル自身が殺し屋という仕事について葛藤を抱える姿も描かれる。

 「一読者としても『なんてすてきなお話なんだろう』と感じたエピソードです。これまでは描かれてこなかったヨルさん自身の心の内、悩みが、『豪華客船編』を終えるまでに、どんな着地点を見つけるのか?ということが描かれています。これまでのベーシックなヨルさんの表情だけではなくて、シリアスな部分や憂い、戦いの中でのものすごく緊張感のある顔が見えます。また、これまでより一層強い敵に囲まれるので、これまで以上にヨルさん自身の強さが見られるのかなという気がしています」

 ◇フォージャー家のホーム感 「みんなの感覚がシンクロ」

 シーズン2は、シーズン1とはまた違った緊張感を持って臨んだ。早見さんは、収録ではフォージャー家の「安心の空気感」を感じたという。

 「『豪華客船編』が始まる前のエピソードでは、フォージャー家の皆さんと一緒に録(と)っていて、新しいシーズンが始まったというよりは、もう前から続いている安心の空気感みたいなものがずっとあって。アニメの収録以外でもイベントなどで江口さん、種崎さん、松田さんと会っていたこともあって、ホーム感があるかもしれないですね。新たに家族に加わった松田さんが演じるボンドも本当に可愛らしくて、面白くて、ボンドがしゃべると、ほわーとした気持ちになっています(笑い)」

 収録では、「みんなの感覚がシンクロしてきている」とも感じている。

 「シーズン1の時に、種崎さんがおっしゃっていたのですが、フォージャー家の会話の中だったり、ヨルさんとアーニャさんの会話の中で、私がアドリブで笑ったりとか、ほほえましく見守っているような“息”を入れていたらしくて。私自身は、指示がないところでもそんなに気にせずに入れていたんですけど、種崎さんはそれで『見守ってくれている』『家族の絆が出来上がっている』と感じられたと言ってくださったんです。そう言ってくださったことで、『あ、私も気付かないうちに家族を感じていたんだな』と思いました。シーズン2でもより絆が深まっている感じがありますね」

 ◇予期せぬハプニングでヨルさんと“痛み”を共有?

 シーズン2では、「豪華客船編」以外にも、早見さんが原作を読んだ時から「映像化されてほしいなってわくわくしていたお話」がアニメ化されるという。ヨルが殺し屋の仕事で銃を尻で撃たれ、その痛みを抱えながらロイドとデートをすることになる……という人気のエピソードだ。

 「このヨルさんのエピソードはめちゃくちゃ面白いですし、最後は心温まるようなお話になっています。ヨルさんが痛みに耐えながらというお話なので、私自身もちょっとまた違う表現というか、楽しみながら演じました。ちなみに、ちょうどその収録の時に、私も膝を痛めていて(笑い)。本当に偶然なんですけど、膝を思い切りぶつけて、ちょっと筋を痛めてしまって。収録の時、すごく痛くて、『なんでこのタイミングで、ここがリンクするんだ!』と。私が『足が痛い』となっているのを種崎さんに見られて、『お尻、打たれたんか?』って言われました(笑い)。ヨルさんの気持ちがすごく理解できていたと思いますし、共鳴しながら演じられたような気がします。たまたまなんですけど(笑い)」

 シーズン2では、「シーズン1では、あまり絡むことがなかったキャラクター同士がコミュニケーションを取る」場面も見どころだという。

 「シーズン1とはまた違ったエピソードが広がっていきますし、家族がどんなふうに関係性を深めていくのか、より楽しんでいただけるのではないかと思います。シーズン2を通して、みんなの絆が深まった後には、劇場版がすぐに公開されます。培ってきた家族の絆というものは、劇場でも感じてもらえると思います。そこに至るまでの絆の育み、絆の成長を楽しみにしていただければなと思います」

 家族としてよりパワーアップしたフォージャー家がどんな活躍を見せてくれるのか。きっとファンを“わくわく”させてくれるはずだ。

 ※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」

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