ガンバ:3DCGで24年ぶり劇場版アニメに 総製作費20億円 脚本は古沢良太

「GAMBA ガンバと仲間たち」のイメージビジュアル (C)SHIROGUMI.,GAMBA
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「GAMBA ガンバと仲間たち」のイメージビジュアル (C)SHIROGUMI.,GAMBA

 「ガンバの冒険」のタイトルでテレビアニメ化もされた斎藤惇夫さんの児童小説の名作「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(岩波書店)が劇場版3DCGアニメ化され、今年10月10日に公開されることが8日、明らかになった。同著が劇場版アニメになるのは24年ぶりで、タイトルは「GAMBA ガンバと仲間たち」。構想15年、総製作費20億円を費やしたビッグプロジェクトで、「ALWAYS 3丁目の夕日」や「STAND BY ME ドラえもん」などを手掛けた映像制作会社「白組」が製作を担当。脚本はドラマ「リーガルハイ」などで知られる古沢良太さんで、アニメーション作品の脚本に初挑戦する。

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 「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」は、イタチと戦う島ネズミを助けに、ドブネズミのガンバと仲間たちが夢見が島へ向かい、大冒険を繰り広げる児童文学の名作。1975年にテレビアニメ化され、1984年に「冒険者たち ガンバと7匹のなかま」、1991年に「ガンバとカワウソの冒険」として2作の劇場版アニメも公開され、ミュージカル化もされている。

 企画・総監督は「白組」副社長の小川洋一さんで、おなじく白組の河村友宏さんと小森啓裕さんが共同監督を務める。さらに、今作のエグゼクティブ・プロデューサーには「スパイダーマン」「X-MEN」などを手がけたアヴィ・アラッドさんが就任。第86回アカデミー賞で作品賞など3冠に輝いた「それでも夜は明ける」に楽曲を提供した作曲家のベンジャミン・ウォルフィッシュさんが音楽を担当し、ロンドンのアビー・ロード・スタジオでフルオーケストラ演奏で音楽収録も行った。

 本編とエンドロールで90分程度の作品になるといい、キャスティングについては俳優・声優を含めて現在検討中という。旧アニメ版の声優が参加するかどうかについて配給元の東映関係者は「否定はしない」としている。また、北米でも公開される見通しで、米国版は配給会社が決定次第キャスティングに入るという。

 今回の作品の製作について、「白組」の島村達雄社長は「1995年にピクサーが『トイストーリー』を出し、ドリームワークスも(98年に)『アンツ』を出し、99年に『トイストーリー2』が出た。これ以上ピクサーに遅れを取ったら追いつけなくなる。日本の3DCGは引き離されて追いつけなくなると思った」と製作の背景を説明。

 小川総監督はストーリーについて「骨格は原作通り。(旧アニメではなく)原作に忠実に作っています」と明かし、「フルCGで、製作当初から3Dでも作っていた。世界観がいい感じに飛び出して見えたり、奥行きがあったりと臨場感をものすごく計算して作っています」と説明。河村監督は「新しくリメークするんだから、当時のアニメーションとは違うものにしたいと思った」と語り、小森監督も「ピクサー的、ディズニー的ではない僕らの作品に合った今回のテイストができた。『ドラえもん』とも違う、ガンバに合ったテイストになったのではないか」と自信を見せている。

 劇場版アニメ「GAMBA ガンバと仲間たち」は10月10日から2D版、3D版で全国ロードショー予定。

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