注目映画紹介:「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− Cadenza」 完全新作でフィナーレ

劇場版アニメ「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− Cadenza」のワンシーン (C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ
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劇場版アニメ「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ− Cadenza」のワンシーン (C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

 アニメ「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」の劇場版アニメ第2弾となる「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-Cadenza(カデンツァ)」(岸誠二監督)が3日に公開される。「蒼き鋼のアルペジオ」は、マンガ家ユニット「Ark Performance」が「ヤングキングアワーズ」(少年画報社)で連載中の海洋SFマンガが原作で、2013年10~12月にテレビアニメが放送され、今年1月にはテレビシリーズを再編集した劇場版第1弾が公開された。続編となる今作では大戦艦「ヒエイ」率いる霧の生徒会や、さらなる敵との戦いを完全新作のエピソードで描き、迫力満点の海上バトルが繰り広げられる。

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 大戦艦「コンゴウ」を旗艦とする霧の東洋方面第一巡航艦隊との壮絶な決戦をくぐり抜け、「イ401」の艦長・千早群像(声・興津和幸さん)らはサンディエゴに「人類の切り札」を届けることに成功する。そして「霧の生徒会」会長・大戦艦ヒエイとの交戦中、群像は死んだと思われていた父・翔像(声・中田譲治さん)の生存を知り、霧による海洋封鎖の理由や父との再会を目指して北極海へと向かう。一方、メンタルモデルとして成長してきたイオナ(声・渕上舞さん)は、ウラジオストクで自らの出自を知り……というストーリー。

 テレビシリーズの総集編に新作エピソードを加えた前作「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ DC」の完成度も高かったが、全編オリジナルストーリーが展開される今作は、まさに“最終章”にふさわしい仕上がり。展開的には想像がつく部分もあったりはするが、それを上回る映像の迫力と、きれいにまとめ上げられたストーリーには、フィナーレらしいエッセンスが凝縮され、満足感を十分に感じさせてくれる。これでもかと詰め込まれた艦隊戦では戦い方やカッコよさに驚かされ、各登場人物たちにも活躍の場が用意されている中、特にアシガラ(声・三森すずこさん)の可愛さにはやられてしまった。渕上さん、沼倉愛美さん、山村響さんによるユニット「Trident(トライデント)」が歌う主題歌「Blue Destiny」の歌詞が心に刺さり、物語の感動との相乗効果で涙腺を刺激しする。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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