ゲーム誌「ファミ通」の編集長などを務めたカドカワ(旧KADOKAWA・DWANGO)の浜村弘一取締役は16日、スマートフォン用ゲームの開発費が家庭用ゲームソフト並みに高騰し、各社とも対応を模索している実態を明らかにした。浜村さんは「スマホゲームは収益は上がるが、ハイリスクにもなっている」と説明。2000年代にゲーム機の高性能化で、開発費が跳ね上がった家庭用ゲームソフトの市場と似ているとした。
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「2015年秋季ゲーム産業の現状と展望」と題し、同日行われたセミナーで明かした。浜村さんによるとスマホ市場は、人気のスマホゲームは長くプレーされ続ける傾向にあり、新規のスマホゲームはその状況を打開するため、CGに凝るなど3億~5億円という、家庭用ゲーム並みの費用をかけて制作しているという。また進行中のプロジェクトでは10億円のものもあるといい、さらに機種の多いアンドロイド版は、安定してゲームを動かすのに各社とも苦労していることも明かした上で、「面白いゲームを作るのは当然で、その上でサービスやコミュニティーの強化が大事になる」と分析した。
また、ゲームのプレー動画をネットへアップロードすることについて「海外のゲーム会社は、(大ヒットゲームの)マインクラフトが動画で成功したのを見ているので、コミュニティーを盛り上げるため動画のアップを認めるのが普通だ。しかし日本のメーカーは消極的で、結果としてコミュニティー強化の妨げになっている」と指摘。また、メーカーは認可しようとしたものの、ゲームに声を入れている声優サイドが嫌がった例などを紹介した。
一方で、任天堂が「スプラトゥーン」や「マリオメーカー」についてゲーム動画のアップを許可して成功している例を挙げながら「今後は日本のメーカーの考えも変わると思う」とも話した。
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