とにかく明るい安村:本当は明るくない? ライバルは「あばれる君」、世界進出の野望も

写真集イベントの“全裸“ポーズを考えるとにかく明るい安村さん
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写真集イベントの“全裸“ポーズを考えるとにかく明るい安村さん

 最近テレビやCMでちょくちょく見かけるけれど、実はあまりよく知らない……。そんな、今さら聞けない“ネクストブレーク芸人”の基礎知識を、本人の言葉を交えて紹介。今回はお笑い芸人のとにかく明るい安村さんをピックアップする。全裸のようなポーズで「安心してください。穿(は)いてますよ」と下着を身に着けていることをアピールするネタで今年ブレークし、「2015 ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にも選ばれた。そんな安村さんのライバルは、“裸芸”の芸人ではなく、同じくブレーク中のピン芸人・あばれる君だという。安村さんが実は明るくない意外な“素顔”や“全裸ポーズ”の誕生秘話、今後の活動、世界進出の野望などについて語った。

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 ◇とにかく明るい安村さんとは?

 よしもとクリエイティブエージェンシーに所属しているピン芸人の安村さんは1982年3月15日生まれの北海道出身。血液型はB型。2000年4月にNSC東京校に6期生として入学し、お笑いコンビ「アームストロング」として活動していたが、14年4月に解散。ピン芸人としては2年目ながら、今年6月にはDVD「安心して下さい、穿いてますよ。」(よしもとアール・アンド・シー)を発売、イベントやバラエティー番組にも数多く出演するなど人気を集めており、30日には全裸に見えるポーズを集めた写真集「安心してください、はいてますよ。」(竹書房)も発売される。

 インパクト大の芸名は自身で考えたもの。「ピンになるときに、かっこいい名前もあるじゃないですか。でも、分かりやすいかなという感じで」名付けたといい、「意味がある方が分かりやすい。でも、『明るい安村』だと、なんか面白くないやつの名前じゃないですか。自分で『とにかく』って言っちゃうの面白いかな」と思いつきで決定した。

 ◇実は意外と「明るく」ない?

 お笑い芸人になったきっかけは「前の相方に誘われたから」。自身は「全然やろうと思っていなくて、誘われなかったらやっていなかった」といい、「中学生の時に言われて、成功するかしないかまで考えていなかった。本当に、『映画見に行こうぜ』みたいな気軽な気持ちで、全く考えずに(決めた)」と振り返る。お笑い芸人をやることに自信があったというわけでもなく、「珍しいというか、よく分からないです。どうなんですかね。誘われた方が残って、裸の芸をやっているってのは……」と現在の状況に首を傾げる。

 ピン芸人として日が浅い安村さんのネタは、面白いと思ったしゃべり方や、キャラクターを演じるというもので、まだ数は少ない。「ツッコミがいないので、キャラクターの面白さは、どうしてもお客さんに伝わらないですよね。分かりやすくやろうとしているんですけど、単独ライブをやるたびに、むちゃくちゃスベっています。全っ然受けない!」と苦笑い。ネタのテイストも「昔からやっていますが、関西弁の芸人さんをまねて、うっとうしい関西弁でコントをやるとか、『そんなんちゃうわ大阪人』というキャラ」など明るいイメージというわけでもない。

 ◇“全裸”ポーズの元ネタは「まゆゆ」

 代表ネタの“全裸”ポーズのアイデアは、アイドルグループ「AKB48」の渡辺麻友さんの初写真集「まゆゆ」(集英社)からヒントを得た。AKB48の大ファンだという安村さんは、同写真集の表紙で渡辺さんが体育座りをしている姿を見て、「これ、いけるんじゃないか」と思いついたと明かす。「現場は絶対裸じゃないな。全裸に見えるって面白いなと思った」と自信を持ったネタだったが、今とはテイストが異なり、ストリップ劇場のような雰囲気で、ピンク色の照明を使って「『全裸に見えるぜぇ……』ってスギちゃんみたいなしゃべり方で、お立ち台の上に立ってやっていて、全然受けなかった」と振り返る。

 それでも“全裸ポーズ”をやり続けたのは「自信があった。めちゃくちゃスベったけれど、これは絶対に受けると思っていた」から。放送作家に相談するなどしてネタを練り直し、ネットの生放送に出演した際、ピンクの照明などが使えず、やむなく現在のスタイルでネタを披露。「簡単にしかできなくて、明るくやってみたら、受けました!」と代表ネタの完成を笑顔で明かした。

 ブレークのきっかけは、14年秋ごろに出演した昼の生情報番組「バイキング」(フジテレビ系)で、「テレビでやったのはこれが初めて。坂上忍さんのコーナーでやりました。そこから正月に向けて(テレビ出演が)増えた」と安村さん。さらに、今年2月に「R-1ぐらんぷり2015」(関西テレビ・フジテレビ系)の決勝戦でネタを披露し、知名度を上げた。

 ◇リアルなライバルは「あばれる君」 あこがれは同郷のあの人

 芸人をやめようと思ったことは「昔から何度もあります。(芸人になったのは)自分からという感じじゃなかったので、今もそうです」というものの、現在は仕事も順調で「めっちゃありがたいことに働いていますよ。朝から晩まで」とうれしそうに語る。同じく海パン姿でおなじみの“裸芸人”の小島よしおさんとの共演が多いというが、ライバルではなく「小島さんは仲間という感じ。昔から同期だからずっと見ているし、(小島さんが)5人組(で活動していた頃)からずっと、ライブも見に行っている」と明かす。

 仕事上のライバルとして意識しているのは、裸ではないピン芸人・あばれる君だという。「一番(仕事が)被っている気がする。俺が思っているだけですけど」と理由を明かし、「名前とシステムが意外と似ている気がする。あばれる君は、超真面目で全然暴れない。俺も別に明るくないし、自分で勝手に言っちゃってるところが面白い」と警戒している。

 一方、憧れている面白い人は、地元・北海道の人気俳優・大泉洋さん。「昔から面白かったんですよ。漫才とかコントとかじゃないですけど、ずっと面白い人。面白いですよね。(あんなふうに)やりたいですよね」と語る。バラエティー番組などでの共演もまだなく、「会ったらビビりますね。会えればいいんですけれど、なかなか難しいですよね」と笑った。

 ◇やりたい仕事、今後の目標は

 高校時代は強豪校の野球部に所属していたこともあり、今後やってみたい仕事について聞くと「北海道出身なので、日ハム関連の仕事とかもやってみたい」と語る。今年も「R-1ぐらんぷり2016」にエントリーし、裸ではないネタで新境地を見せると宣言しているが、「どうかな。1回戦で落ちるんじゃないかと思っています」と笑う。

 今後の目標は世界進出。すでに動画配信サイト「YouTube」で英語バージョンのネタを配信し、「今のところ110万回再生されている」と手応えを語り、「韓国の方やフランスの方の前でやらせてもらったときは、裸がダメで、なかなか世界の壁は高いなと思いました。でも、アメリカはいけると思いますよ。アメリカのアポロシアターとかでパンツ一丁でやりたい。ドント・ウォーリー! アイム、ウェアリング!」とポーズを決め、野望を語っていた。

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