注目映画紹介:「ONE PIECE FILM GOLD」 ド派手でゴージャスなエンタメ大作に

「ONE PIECE FILM GOLD」のワンシーン (C)尾田栄一郎/2016「ワンピース」製作委員会
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「ONE PIECE FILM GOLD」のワンシーン (C)尾田栄一郎/2016「ワンピース」製作委員会

 累計3億4000万部以上を発行している大ヒットマンガの13作目となる劇場版アニメ「ONE PIECE FILM GOLD」(宮元宏彰監督)が23日に公開される。前作「Z」に続いて原作者の尾田栄一郎さんが総合プロデューサーを務めた“エンターテインメント大作”だ。

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 今回、ルフィら「麦わらの一味」が乗り込むのは、全長10キロの巨大な黄金船で、世界最大のエンターテインメントシティー「グラン・テゾーロ」。世界の金の20%を持つという“黄金帝”ギルド・テゾーロが支配し、世界政府さえも手を出すことができない黄金の町で、ルフィたちはカジノに興じるが、裏では世界を震撼させるほどのテゾーロの野望が世界政府や革命軍も巻き込んでうごめき始めていた……というストーリー。

 テゾーロを演じるのは、大河ドラマ「軍師官兵衛」の安国寺恵瓊(えけい)役や、ジェイソン・ステイサムさんの吹き替えなど、俳優としても声優としても実力派として知られる山路和弘さん。また、「グラン・テゾーロ」の歌姫でナミとも因縁深いヒロインのカリーナを、かつてFolder5として同作のテレビアニメの主題歌も担当した満島ひかりさんが演じるほか、菜々緒さん、濱田岳さん、ケンドーコバヤシさん、北大路欣也さんらも声優を務めている。

 「GOLD」の名の通り、作品全体としてゴージャスな作りになっている印象を受けた。特に、ルフィたちが「グラン・テゾーロ」に乗り込んでくるオープニングパートは、ビッグバンドの演奏に乗せたテゾーロとカリーナのステージも盛り込まれ、見ている側のテンションも上がるきらびやかな映像だった。「STRONG WORLD」の伝説の大海賊・シキ、前作「Z」の伝説の海兵・ゼットと、最近の作品は“かつての大物”が再び騒動を引き起こす展開が目立ったが、今回のテゾーロは、いわば“新進気鋭の大物”。その分、映像も派手なものになったということだろう。また、前作では男の生き様や戦いが描かれていたが、今回は“女の絆”に焦点が置かれているのもポイントだ。

 ゲスト声優陣はいずれも素晴らしかった。ドラマ「ど根性ガエル」でピョン吉の声を好演していた満島さん、ソフトバンクのCMの「お父さん犬」の北大路さんはもちろんだが、菜々緒さん、濱田岳さん、コバヤシさんの“テゾーロ一味”の面々もよかった。特に菜々緒さんはアニメ声優初挑戦とは思えない名演で、ドラマやCMで見る菜々緒さんの声とは全く異なっていて、芸達者ぶりに驚かされた。

 ド派手できらびやかなエンターテインメント大作に仕上がった今回の「GOLD」。同じく尾田さんが総合プロデューサーを務めた最近の劇場版とも一味違う“ゴージャス”な「ONE PIECE」を楽しみたい。(立山夏行/MANTAN)

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