寺島進:「真田丸」クールな出浦昌相役 妻と娘が演技指導

「真田丸」での寺島進さんの出演シーン=NHK提供
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「真田丸」での寺島進さんの出演シーン=NHK提供

 堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」に出浦昌相役で出演している寺島進さん。草刈正雄さん演じる真田昌幸に魅了され、隠密集団を操り、真田家を陰から支えるキャラクターだ。そのクールな演技に“出浦がカッコいい”とインターネットを中心に話題になっている。第31回(7日放送)では、藤岡弘、さん演じる本多忠勝との大立ち回りも見どころだ。妻と娘が「カッコいいと言ってくれている」のが自信につながっているといい、脚本の三谷幸喜さんと「2人で頑張って出浦を有名にしようと語った」と話す寺島さんに、出浦役への思いや三谷脚本について聞いた。

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 「真田丸」は、真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を堺さんが演じ、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。三谷さんが2004年放送の「新選組!」以来、12年ぶりに大河ドラマの脚本を手がけたことも話題になっている。

 ◇出浦と重なる部分が多い

 出浦と昌幸の関係について寺島さんは「理屈がなく、多くを語らず男が男にほれたというような、昔の任侠映画のような感じ」と寺島さん“らしい”表現で語り、「戦国時代は仲間であろうと裏切りがあり得る時代。そんな中でも、2人には崩れない信頼関係がある」と話す。出浦については「沈黙の中の殺気、色気もあって、男の孤独感も兼ね備えて粋なせりふをはく、筋道が通った人物」と表現する。

 ドラマがスタートする前に、三谷さんから「『僕と寺島くんで、出浦を有名にさせよう』って言われたんです」という寺島さんは、「猿飛佐助は、全国区で知られるアイドル的存在。出浦は自分の役者人生と重なる部分がある」といい、「自分も剣友会で斬られ役をやって、小さな役からだんだん大きな役をいただけるようになり、名前と顔が一致してもらえた。出浦の知名度を上げようと一生懸命取り組んでいます」と笑顔で語りながら、「なんせ出浦は寺島進が元祖なので、次に演じた人がいたら二番煎じ、俺の勝ちですよ(笑い)」と、大きく目を見開きながら話した。

 「真田丸」の放送は、家族で見ているといい「かみさんと娘がカッコいいと言ってくれているのがすごく自信になりますね。子供は正直なので、情けないコスチュームとか着ていると『お父さん、何やってるの』って言われたりするんです(笑い)。だけど、出浦はカッコいいと言ってくれる。かみさんはうそをつけない人なので、いろいろと言ってくれる。20~30代はご指導ご鞭撻してくれる先輩方がたくさんいてくれたんだけど、52歳になると少なくなっちゃって。かみさんから(演技の)ご指導ご鞭撻を受けています」と明るく話す。

 出浦の演技については「能のお芝居にヒントがあった」といい、「能面って表情が変わらないじゃないですか。シチュエーションによって、笑っていたり、泣いていたり、怒っていたりと(見ている人が)客観視して感じるものでしょ。(出浦の演技は)なるべく表情を崩さないようにと心がけています」と笑顔を見せる。

 ◇殺陣のシーンは“高揚”

 第31回では、忠勝(藤岡さん)と大立ち回りも演じる。「三谷さんから『本多忠勝をやっちまえ! 出浦、頑張れー』って言われました。フランクな脚本家だなって思いましたね(笑い)」といい、「余裕ですよ。任せてくださいって感じ。楽しみにしててください」と笑った。

 また、出浦の殺陣については「剣友会出身なので、殺陣のシーンがあると初心に帰れるというか、気持ちが高まるんですよね」と話し、「『殺陣を増やして』と三谷さんに言っていたら、第31回でこんなことになってしまった」とおどけながら「時代劇に一番出ている役者は自分だと思っているし、時代劇で人を殺した数も自分が一番多いと思っている。だから自信を持ってやっています」と話す。

 ◇三谷は“人たらし” 視聴者は時代劇が好きなはず

 寺島さんは、三谷さんとの出会いについて「(三谷さんが)大河で『新選組!』をやっていた時に、オファーがなくて、すごく悔しい思いをした」と思い出し、「任侠映画を作っていた人たちで『実録 新撰組』っていうのを勝手に作って、三谷さんに見てくれって送ったことがあるのよ。そしたらちゃんと見てくれてて(笑い)。その後に『THE 有頂天ホテル』のときに、キャスティングしてくれたんだけど、その時は一言も話してくれなかった。それで『ザ・マジックアワー』の時に、電話番号とメールの交換したんだよね」と明かした。

 「三谷さんは“人たらし”でずるいんだよね」という寺島さんは、真田丸が多くの人に楽しまれる魅力について「三谷脚本だから、これだけ豪華な人たちが集まっていると思う。いい(脚)本の中で作品がまとまっているし、主役が何人もいる感じがする」といい、「時代劇が少なくなっている中で、本当は皆、時代劇が好きなんじゃないのかな」と思いをはせていた。

 「真田丸」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。

 <プロフィル>
 てらじま・すすむ。1963年11月12日生まれ。東京都出身。おもな出演作に連続ドラマ「とんぼ」(TBS系)、「はぐれ刑事・純情派」(テレビ朝日系)、「アンフェア」シリーズ(フジテレビ系)のほか、北野武監督の映画「HANA‐BI」「その男、凶暴につき」などにも出演。現在は、NHK大河ドラマ「真田丸」のほか、特撮ドラマ「動物戦隊ジュウオウジャー」(テレビ朝日系)にも出演している。

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