ディーン・フジオカ:「精霊の守り人」過酷な撮影乗り越え「役者をやっていてよかった」

ドラマ「精霊の守り人」新シリーズにイーハン役で出演するディーン・フジオカさん=NHK提供
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ドラマ「精霊の守り人」新シリーズにイーハン役で出演するディーン・フジオカさん=NHK提供

 俳優のディーン・フジオカさんが、21日にスタートする綾瀬はるかさん主演のNHK大河ファンタジードラマ「精霊の守(も)り人」の新シリーズ「悲しき破壊神」(NHK総合、毎週土曜午後9時)に出演する。ロタ王国の王弟のイーハンを演じるフジオカさんに、過酷な撮影現場の様子やアクション演技について聞いた。

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 「精霊の守り人」は上橋菜穂子さんの小説「守り人」シリーズ全巻を、3シーズンにわたって全22話で映像化する大河ファンタジー。短槍(たんそう)使いの用心棒バルサ(綾瀬さん)と新ヨゴ皇国の皇子チャグム(板垣瑞生さん)との冒険を描く。

 新シリーズは、チャグムが新ヨゴ国の皇太子となるが、バルサは、カンバルの国王ログサムの暗殺に失敗し、お尋ね者となり、ロタ王国に身を潜め、用心棒稼業を続けていた。そんな中、バルサは、破壊神を召喚することができるアスラ(鈴木梨央さん)という少女を人身売買から救う……というストーリー。鈴木亮平さん、真木よう子さん、壇蜜さん、柄本明さんらも出演する。全9回。

 ◇激しいアクションシーンに「達成感」

 2016年2月公開の映画「NINJA THE MONSTER」、同年10月期に放送された連続ドラマ「IQ246~華麗なる事件簿~」などで、アクション演技を披露しているフジオカさんは「アクションが大好きなので、ファーストシーズンを見て、アクションが強調されたような作品で、どきどきわくわくした」と語るが、新シーズンの脚本にはイーハンのアクションが少なかったそうで、苦笑いしながら「優しい監督とスタッフさんのお陰で、物語に影響がでない程度で僕のアクションを追加していただいた」と振り返った。

 剣を使ったアクションシーンを撮ったフジオカさんは「もっとやりたかった。(王族の)イーハンは、身を守るため、何枚も服を身に着けるため、服に剣が引っかかったり頭を動かすと(かぶとが)落ちたり、体裁を考えながら戦いに身を置いたキャラクターの表現はチャレンジでした」と語り、「せりふを話しながら剣術をやるなど、芝居とアクションが分かれずに一つの感情表現として、演技ができたのは、自分としても達成感があります」とほほ笑んだ。

 ドラマで激しい殺陣を披露している綾瀬さんについては「タフだと思います。長時間の撮影が連日、続く中で、集中力を途切れさせずに、バルサという役でいて、アクションの流れのリズムをキープできるのは高い技術の一つだと思います。綾瀬さんとお会いして、努力家だなと感じました」といい「ストーリーの中でバルサとのアクションシーンもやってみたいと思いますが、綾瀬さんは役者なので、万が一の事があると思うと気が引けてしまう。アクション専門のスタッフの方が気が楽です」と語った。

 ◇過酷な現場だからこそ“心が震える”シーンが撮れる

 イーハンが、壇蜜さん演じるトリーシアと出会うシーンの撮影では「(静岡県の)南伊豆で撮影したのですが過酷でした。撮影というより登山でしたね(笑い)。スマートフォンでその日に上り下りした階段数を調べたら、ビルで85階分にも相当する高さでした。荷物は重いし、靴ずれもしました。トイレに行くにも下山しないといけない。本気の山登りでした」と苦労を語る。

 ドラマの撮影についてフジオカさんは「作品に対する愛を込めて、細部にいたるまでクオリティーを上げようと追求する向上心がある現場です。だから(キャストの)自分たちはもっと頑張らないといけないって思わされます(笑い)。さらに、いいものをという現場だから、想像以上のものが撮影できたとき、へとへとになって家に帰っていました。しんどかったけれど役者をやっていてよかったって思えたり、次の日につながる現場でした」とうれしそうに語る。

 「脚本ではあっさり書かれているけど、実際に撮影していて心が震える場所があった」というフジオカさん。「派手なアクションもありますが、ヒューマンドラマの部分を楽しんでもらいたいです。兄のヨーサム(橋本さとしさん)とのシーンですが、本当の兄弟のように感じてしまうような、錯覚をするやり取りもありました。トリーシア(壇蜜さん)とのシーンも全体のトーンとは違うアクセントが効いた場面になっています」と新シリーズの見どころについてメッセージを送った。「精霊の守(も)り人」の新シリーズ「悲しき破壊神」はNHK総合で毎週土曜午後9時に放送。

<プロフィル>

 ディーン・フジオカ。1980年8月19日、福島県生まれ。高校卒業後、米国の大学に留学。大学卒業後、香港に渡ってモデルとして活躍し、俳優デビュー。その後、台湾に拠点を移し、数々のドラマや映画に出演した。2014年にドラマ「荒野のピンカートン探偵社」で全米デビュー。15年にドラマ「探偵の探偵」(フジテレビ系)で注目を浴び、NHKの連続テレビ小説「朝がきた」で一躍、人気俳優となった。

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