元プロレスラーのアントニオ猪木さん(67)が31日、東京都内で行われた初主演映画「ACACIA(アカシア)」(辻仁成監督)の舞台あいさつに登場。猪木さんはいきなり「元気ですかー?」とあいさつして客席を沸かせた。映画でリングに立つシーンを振り返って「嫌なことやらしてくれるなって(思った)。それでなくたってひざが痛いのに、腰が痛いのに……」と苦笑いしたが、「でも、リングに上がって昔を思い出すシーンだったので、あんときのアンドレ(ザ・ジャイアント)の試合かな……っていろいろ思い浮かべてやりました」と語った。
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「ACACIA」は、息子を失った元覆面プロレスラーの老人(猪木さん)が、孤独な少年と親子のように暮らし、心を通わせて勇気をもらうというヒューマンドラマ。辻さんは原作、脚本も担当している。
猪木さんと心を通わせる少年タクロウ役の林凌雅さん(11)は猪木さんについて「僕は闘いが大好きで、猪木さんは、格好いいなと思いました。ケーキを食べたいというとケーキ屋さんに連れていってもらったり、海の話をしてくれたりした」と振り返っていた。辻監督は「この子はオーディションの時からずばぬけてた。心配なのは……大魔神(猪木さん)だったんですけど」と話し、「猪木さんを凌雅君がよく引っ張ってくれた。猪木さんのせりふを削っては、凌雅君の方に回していって、猪木さんからは『監督、どうして今日はおれのせりふが無いんだ』って言われた」と振り返った。
また辻監督が、友人のフランス人監督から「古い俳優だと思うんだけど、彼(猪木さん)の演技がよかった。黒澤(明監督)の映画とか、小津(安二郎監督)の映画に出てるのか」と聞かれたエピソードを披露し、「(猪木さんを)マルチェロ・マストロヤンニとかそういうクラスの俳優だと思ってる」と言われると、猪木さんは「そうですか? まあ、運がいいし、演技がいい男ですから」と笑顔でコメントしていた。舞台あいさつには歌手の持田香織さん(32)も登場し、主題歌の「アカシア」を披露した。
映画は6月12日から全国ロードショー。(毎日新聞デジタル)
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