溝端淳平さんや木南晴夏さん、五十嵐隼士さんら今、勢いのある若手俳優を起用した実話に基づく感動作「君が踊る、夏」(香川秀之監督)が11日、公開された。
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東京でプロカメラマンの修業中の寺本新平(溝端さん)は、5年ぶりに高知に帰郷し、元恋人の野上香織(木南さん)の幼い妹・さくら(大森絢音さん)が難病を患っていることを知る。自らの病気を知るさくらは、久しぶりに新平の姿を見て、よさこいを踊りたいと言い出す。今年がさくらにとって最後の夏になるかもしれない。香織はさくらのために、すでに解散したよさこい祭りの伝説のチーム「いちむじん」を再結成させようとするのだが……という物語。
難病を扱った作品だけに泣かせるシーンはもちろんあるが、舞台となった高知のスコーンと抜けるような夏の青空や、「よさこい祭り」特有の熱さ、さくらの生きたいという思い、それらが作品全体に明るいオーラを放ち、悲劇を打ち消している。
「よさこい」は、「前に進む踊り」なのだそうだ。踊りの前に進もうとする力が、「生きたい」というさくらの懸命な生き方と合致し、説得力を生んでいる。また、高知の方言で「一生懸命」という意味があるチーム名の「いちむじん」も象徴的だ。戦後の町おこしとして生まれたという「よさこい」は、踊る人間みんなが笑顔で、力強く鳴子を鳴らし、まといを振るい、前に進む。その光景に純粋に胸を打たれる。11日から丸の内TOEI1(東京都中央区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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