手描きにこだわり製作に7年をかけた劇場版アニメ「REDLINE」(小池健監督)が日米同時公開されることが6日発表された。主人公「JP」の声を担当し、同日、東京都内で開かれたプレミア試写会に登場した木村拓哉さんは司会から日米同時公開が決まったと告げられると、驚いた様子で「今ここで聞いたので、えっと思いましたが、すごくうれしい。声だけでの参加なので大きなことは言えませんが、このご時世コンピューターの力に振り回されている中、一枚一枚手で絵が描かれていることを楽しんでほしい。男たちが作った世界を楽しんで愛してほしい」と観客に力強く語りかけた。
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「REDLINE」は、映画「鮫肌男と桃尻女」「茶の味」などの脚本と監督を手がけたことで知られる石井克人さんの原作で、製作は「パプリカ」「時をかける少女」「サマーウォーズ」などの劇場版アニメを送りだしてきたマッドハウスが担当。短編アニメ「アニマトリックス ワールド・レコード」で世界デビューし、「SmaSTATION!!」のショートアニメなどを演出したアニメーターの小池健さんが監督を務める。CG全盛の時代にあくまで手描きにこだわって作り上げ、製作期間7年、作画枚数10万枚という時間と手間をかけて完成した。木村さんのほか、蒼井優さん、浅野忠信さんらが声優を務める。
「ハウルの動く城」以来6年ぶり2度目の声優挑戦となる木村さんは、映画の感想を「音楽も音もいいですし、率直な感想がポップアートが一瞬たりとも止まらないで動き続けている。その中には表情も感情もあって……」と絶賛。「アニメ映画って気楽な感じで来ていただいた方には申し訳ないですが、これを人間が自分の手で作ったと知って見ていただくと、口あんぐり状態だと思います。世界観に思い切り圧倒されてください」とアピールした。
また、リーゼントに革ジャンでクールに決めているが、非常にシャイという役どころのJPについて木村さんは「あそこまで頭盛ったことないですが、髪形についてはJPなりの味だと思います。(相手役の)ソノシーに蒼井優さんが魅力的なパワーを吹き込んでいます。最初は知らされてなかったので、(アフレコ時は)プロの声優の方がガイドで吹き込んでるんだろうなって思い込んでいました。蒼井さんのソノシーはやばいです。浅野さんのフリスビーもすごくて、お二人にJPは引っ張られたというか、助けていただきました」とアフレコを振り返った。原作の石井さんは「感無量です。生きてて良かったなと思います。最初からかっこよくて純情で優しい人って木村さんをイメージしていました」と観客を前に感激した様子で話した。
映画は、四輪がエアカーに代わる遠い未来が舞台。JP(木村)は、初恋の女性ソノシー(蒼井さん)を振り向かせるために、武器も持たずに宇宙最速のレーサーを決める祭典「REDLINE」への出場を決める……という物語。9日から全国で公開。(毎日新聞デジタル)
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