解説:2026年の宇宙戦艦ヤマト 「ヤマト3199」第5章ラストの衝撃を読み解く

アニメ「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第六章「碧い迷宮」の第2弾特報(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
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アニメ「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第六章「碧い迷宮」の第2弾特報(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」。2月20日から上映された第五章「白熱の銀河大戦」で“衝撃のラスト”を迎えたことが話題になっている。第五章は、メインビジュアルに「ラスト1分、すべてが覆る。」というコピーが添えられていたが、そのコピーに偽りなし。まさに全てが覆った。第五章の“衝撃のラスト”について解説する。

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 ◇「ヤマトよ永遠に」に着想

 西暦2207年、2年前にヤマトが遭遇した敵・デザリアムによる地球侵攻が始まる。約1000年後の地球人であると主張するデザリアムは“過去から未来をやり直す”計画を進める。ヤマトはデザリアムが語った歴史の真偽を確かめるため、未来と現代をつなぐ時空結節点を目指す。

 第五章でヤマトは時空結節点に到達する。時空結節点を越えて、たどり着いたのは約1000年後の未来ではなく、約200年前の2026年の東京だった……という“衝撃のラスト”が描かれた。東京上空をヤマトが飛ぶというビジュアルは大きなインパクトがあった。

 「ヤマト3199」は、「ヤマトよ永遠に」「宇宙戦艦ヤマトIII」を原作に、新解釈を加えて再構成した。「ヤマトよ永遠に」から着想を得たといい、総監督の福井晴敏さんに取材した際、「最初からあった構想です。これができるなら『3199』がやれると考えていました。原作由来がないわけじゃないんですよ。原作(ヤマトよ永遠に)は、200年後の地球(に偽装していたデザリアム星)だったけれど、それを逆手にとって今回は200年前にしようとした」と話していた。

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 脚本の岡秀樹さんは「やめた方がいい。出落ちになる」と最初は反対し、監督のヤマトナオミチさんは「アイデアをいただいた時は、できるか不安でした」と戸惑ったようだが、福井さんは「絶対に出落ちにならないようにする。エンジンがかかった。作品のテーマにハマる。やっぱり原作なんです。『永遠に』で、スフィンクスやニューヨークを見て200年後の地球だと思う。我々の知っている地球とヤマトの世界が地続きになったのが面白かった。それが根底にあったのかもしれない」と確信があった。

 ◇現代と地続きにある「ヤマト3199」

 福井さんの「作品のテーマにハマる」という言葉についても考えたい。デザリアムは約1000年後の地球人であると主張し、もっともらしい言葉で地球人を導こうとする。分かりやすい言葉で感情を揺さぶり、不安を抱える大衆に「この人なら変えてくれる」と思わせる。大衆の反ガミラス感情を煽動し、ガミラス人に対する差別や排斥運動が巻き起こる。

 デザリアムには違和感を覚えるが、さまざまな情報に翻弄され、何が真実なのかが分からなくなる……というのは人類がこれまで繰り返してきた歴史であり、人類が今まさに直面している問題のようにも見える。「ヤマト3199」は、社会を映す鏡のような作品なのかもしれない。

 ヤマトクルーは、デザリアムに抵抗するが、6月26日から上映される第六章「碧い迷宮」の予告を見ると、2026年の東京にたどり着いたヤマトクルーの様子が何だかおかしい。土門竜介は「この時代にヤマトがガミラス星へと向かえば、未来を変えられる」とデザリアムがなそうとする“歴史改変”と同じ誘惑に駆られるようだ。

 福井さんは「ヤマトクルーはこれまで常に正しかったけど、おかしくなってくる。デザリアムと同じ立場になったら同じことをしてしまうかもしれない。人間のもろさが出てくる」とも話していた。正義は危うく、もろいものでもある。ヤマトを2026年の東京に出現させたことで、「ヤマト3199」はフィクションではあるが、現代と地続きであることを強く示そうとしたのかもしれない。それこそ“作品のテーマ”とも考えられる。

 「ヤマト3199」は全七章となることが発表されている。第五章のラストで“全てが覆った”ことから、本当にあと二章で完結するのか?という不安もよぎるが、福井さんは今後の展開について「ちゃんと終わります。最後までお付き合いいただければ」と語り、“全七章”で終わることを強調していた。

 ヤマトを2026年の東京に出現させたことで、「ヤマト3199」が現代と地続きの物語であることはより明確になった。この展開をどう着地させるのか、今後の展開が注目される。(阿仁間満/MANTANWEB)

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