話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、闇ブローカーから助けた少女は実はドラゴンで、その少女を守るために戦うという「ドラゴンクライシス！」（城崎火也著、亜方逸樹画）です。集英社スーパーダッシュ文庫編集部の三輪宏康さんに作品の魅力を聞きました。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　−−この作品の魅力は？

　この作品は、高校生の竜司がレッド・ドラゴンの少女、ローズと出会うことで、遺物（ロスト・プレシャス）と呼ばれる不思議な力を持つものや、その周辺の人たちとかかわり、成長していくお話です。

　見どころは、とにかくキャラクターがすばらしいところ！　ローズは竜司に対して全面的な信頼を示して、ぴったりとすり寄ってきますし、ドラゴンの皇女マルガも素直になれなくも竜司に好意を寄せます。竜司に救われた人狼の力をもつ少女、アイの一途さも見逃せません！　とにかく一読していただければ、「ドラクラ！」のキャラクターに夢中になれます。

　−−作品が生まれたきっかけは？

　それまでホラーなどを書かれてきた作者の城崎火也さんが初めて挑んだラブコメが本作です。とにかく直球で攻めるをモットーに描かれた作品だと聞いています。それが功を奏して、今の大人気作品となりました。

　−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか。

　城崎火也さんはキャラクターの繊細な心情を描かれるのが非常にうまい作家さんです。特にちょっとした仕草や行動に表れるかわいさのようなものは、毎度関心させていただいています。亜方逸樹さんは華やかさと繊細さを共存させて描いてくださるイラストレーターさんです。「ドラクラ！」1巻あとがきの城崎さんのお言葉をお借りすると、こちらの「理想以上の」イラストを仕上げてくださいます。

　−−編集者としてこの作品にかかわる喜び、大変なことについて教えてください。

　大変な点としましては、私は最近担当をさせていただくようになったので、それまでの「ドラクラ！」が作っていた作品感というか空気のようなものを壊さないようにと気をつけています。また、おかげさまでアニメも放送直前ですが、その制作にかかわれることはやはりうれしいです。小説の作業というのは比較的少ない作業人数で進行していきますが、アニメは大人数の共同作業なので、テンションが上がる感じです。

　−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

　11年1月から待望のテレビアニメがスタートします。非常に強力なスタッフが制作する、品質の高いアニメになっていますので、ぜひぜひご覧ください。アニメを見て気に入っていただけた方で、原作を未読の方がいらっしゃいましたら、これを機に原作小説も手にとっていただければ幸いです。

　また、これにあわせて1月からスーパーダッシュ文庫公式サイト(http://dash.shueisha.co.jp/)でマンガ版の連載を開始します。マンガはSD文庫でイラストレーターとしても活躍中の大田優一さんに担当していただくことになりました。これもいい出来なので、「ドラクラ！」入門編としていかがでしょうか？

　11年は「ウサギ年」ですが、「ドラクラ！」的には1年先取りして「ドラゴン年」として、これまで以上に力強く作品をアピールしていきたいと思います。みなさま、なにとぞよろしくお願いいたします！

　集英社スーパーダッシュ文庫編集部　三輪宏康