注目映画紹介:「ザ・タウン」 ベン・アフレック監督・脚本・主演 強盗団リーダーの生きざま

「ザ・タウン」の一場面 (C)2010 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES
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「ザ・タウン」の一場面 (C)2010 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES

 「ペイチェック/消された記憶」(03年)や「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」(07年)で知られるハリウッド俳優、ベン・アフレックさんが07年の映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(日本未公開)に続き監督を務めた作品「ザ・タウン」が5日に公開された。アフレックさんは主役も務め、脚本も担当した。共演のジェレミー・レナーさんが、昨年の「ハート・ロッカー」でのアカデミー賞主演男優賞ノミネートに続き、今作でも助演男優賞にノミネートされている。

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 米ボストン北東部にあるチャールズタウン。「タウン」と呼ばれるこの土地は、米国で強盗犯罪が最も多い街として有名らしい。そこを舞台に、強盗という“家業”を父親から引き継ぎ、そのリーダーとして生きる男ダグ(アフレックさん)とその仲間の生きざまをつづったクライム(犯罪)ストーリーだ。

 犯罪者を扱ったほかのサスペンス作で味わうのとは異質の緊張感がある。ここには血の通った人間がいて、父や友とのきずながあり、ロマンスがある。決定的な悪者がいないのも特徴だ。暴力的なジェム(レナーさん)にしても人間味がある。こういう物語の場合、往々にして主人公を追う側の人間は憎まれキャラにされがちだが、今作では、FBI捜査官ですら共感の持てるキャラクターとして描かれている。もちろんそこには善と悪の対立があるが、彼ら全員が自分の仕事を全うしようとしており、それぞれに良心を持っている。その良心が、見る者の心をとらえるのだ。

 共演に「それでも恋するバルセロナ」(08年)のレベッカ・ホールさん、米ドラマ「ゴシップガール」(07年~)のブレイク・ライブリーさん、同じくドラマ「マッド・メン」(07年~)のジョン・ハムさんら。なお、強盗グループの黒幕役で、1月に亡くなったピート・ポスルスウェイトさんが出演している。5日から丸の内ルーブル(東京都千代田区)、新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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